1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610138
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
田原 俊司 神田外語大学, 外国語学部, 助教授 (50207205)
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Keywords | 「いじめ」 / 回帰分析 / コンジョイント分析 |
Research Abstract |
現在、「いじめ」問題において、どのような条件の場合に、どの程度、深刻な「いじめ」が発生するのかといった原因と結果との間の因果関係がほとんど解明されていない。本研究の目的は、第1に、「いじめ」を引き起こすと指摘されてきた「親の育て方」「本人の性格」 「受験競争」など様々な要因を独立変数として、これらの諸要因が「いじめ」の被害者・加害者を生み出す原因であるのかどうかを重回帰分析で明らかにすることであった。第2の目的は「親の育て方」「本人の性格」「受験競争」「学校の成績」「遊ぶ人数」「学校の授業のわかりやすさ」 「体つき(体型)」「集団への迷惑」 「友だちの数」「校則の厳しさ」の10要因に限定し、「いじめ」の被害者や加害者になる要因として、どのような要因(およびこれら諸要因の交互作用)が影響を与えていると人々は考えているのかをフルプロファイル法によるコンジョイント分析による調査で解明することであった。 重回帰分析の結果、「友だちの数」・「噂への敏感性」が「いじめ」の被害者を生み出す要因として特定されたが、その説明力は11.2%に過ぎなかった。また、「校則の厳しさ」「本人の性格」 「父親の育て方」が加害者の要因として特定されたが、その説明力は11.6%に過ぎなかった。コンジョイント分析の結果、「いじめ」の被害者となる要因の重要度スコアは「友だちの数」(21%)、「親の育て方」(14%)、「遊ぶ人数」(11%)が10%を超えていたが、それ以外の要因は10%に満たないこと、また、「いじめ」の加害者となる要因の重要度スコアは「親の育て方」(19%)、「本人の性格」(16%)、「遊ぶ人数」(13%)、「友だちの数」(11%)、「集団への迷惑」(10%)が10%を超えていたが、それ以外の要因は10%に満たないことが明らかとなった。これらの結果、「いじめ」の生み出されると人々が考えている要因が必ずしも実際の「いじめ」を生み出す要因となりえていないことが明らかにされた。
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Research Products
(1 results)