1998 Fiscal Year Annual Research Report
我が国における児童虐待の「広がり」とその概念形成に関する調査研究
Project/Area Number |
10610182
|
Research Institution | Asai Gakuen University |
Principal Investigator |
田澤 あけみ 北海道女子大学, 人間福祉学部, 教授 (80171685)
|
Keywords | 児童虐待 / 児童虐待への介入 / ネットワーク / 協働 / 子育て支援 / 専門性 / 児童相談所 / 児童虐待の定義 |
Research Abstract |
児童福祉問題としての児童虐待問題の認識と対応の量的・質的特質を考察する一段階として内外の資料の収集および、各専門領域におけるそれぞれのアプローチの特質を鳥瞰し、問題枠組みを整理することを目的に、訪問・ききとり調査を行った。 出席した会議・研究大会3種、訪問ききとり機関9ケ所の結果、ひとまずの小括として、大きく次の4種類の介入のパターンやとらえ方の特徴がみられた。 1つは広く子育て支援から極めて専門的介入までを含む総合的・専門的な「福祉・保健型」。これは児童相談所・保健所を中心として地域資源がそれぞれの役割を分ちあうネットワーク調整型でもある。2つ目には、「精神医学、心理アプローチ型」とも言えるもので、主に母親を中心とする家族問題アプローチや自己啓発的で親への介入が中心となる。児童本人については、児童相談所等関係行政機関にまわす。3つ目には、「治療・カウンセリング型」で従来から各個別的に病院や民間カウンセリングで行なわれてきた型を中核とするものである。4つ目には、まだ児童虐待への関心が相対的に低い地域でみられる「教育・啓発型」のとらえ方やアプローチである。それぞれにその土地柄や虐待問題についての認識の差、専門性の特質、地域資源の特質によってどれをとるか規定される。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 田澤あけみ: "口頭発表予定「わが国における児童虐待の“広がり"とその概念形成に関する調査研究" 日本保育学会第52回大会 1999.5.29-30日.
-
[Publications] 仲村優一,一番ヶ瀬康子監修: "『世界の社会福祉 イギリス』の中の「1 児童・家庭福祉」" 旬報社, 24 (1999)