1999 Fiscal Year Annual Research Report
我が国における児童虐待の「広がり」とその概念形成に関する調査研究
Project/Area Number |
10610182
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Research Institution | Asai Gakuen University |
Principal Investigator |
田澤 あけみ 北海道女子大学, 人間福祉学部, 教授 (80171685)
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Keywords | 児童虐待 / 児童福祉 / 児童相談所 / 児童福祉施設 |
Research Abstract |
1、昨年度の研究結果の分析 各種の「児童虐待」への対応機関の訪問聞き取り調査から以下のことが確認された。ここ急激に一般的な児童虐待への関心の高まりにつれ行政を始め各種の民間の組織的対応が目覚しい。それらの多くは親(虐待者)や"サバイバー"に対する「心理(教育)」・「精神医学」的アプローチが多い。分類的には、裾野広く、気軽に相談できる姿勢であるのはカウンセリングイメージの強い「電話相談」や「子育て相談」であり、深刻な虐待については可視的傷害を伴う場合には医療機関、養育・経済的問題を伴う生活問題に深くかかわり、自助努力が不可能な場合には児童相談所という「すみわけ」が見られる。しかし、「気軽な相談」の中にも既に深刻なケースが含まれていたり、それへと「進行中」のケースが包含されていることから、児童相談所・児童福祉施設等の虐待者や地域問題への視点・専門性を持っている児童福祉関係がより関与することの必要性が指摘される。2、「虐待」は「今」の問題であると同時に「近未来」の問題でもあるとの認識を特に一年度目の研究から認識を新たにしたことから、本年新たに将来の「児童虐待専門職の卵」(看護系学生、社会福祉士養成系の在学生及びその関係者)を対象とするアンケート調査を行った(約5000回答)。目下その分析中。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 田澤あけみ: "わが国における児童虐待の"広がり"とその概念形成に関する調査研究"日本保育学会第52回大会 1999、5、29於.青山学院大学. 237. (1999)
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[Publications] 田澤あけみ: "口答発表「21世紀社会福祉を展望して-生活福祉と権利擁護"実践女子短期大学生活福祉研究会 1999、9、25. (1999)
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[Publications] 田澤あけみ: "口答発表「児童福祉と『児童虐待』問題への取り組み」"日本社会事業大学公開講座 1999、11、13. (1999)
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[Publications] 田澤あけみ: "21世紀は真に「児童の世紀」でありえたか?-アメリカにみる児童虐待問題形成と"戦略"の変化-"北海道女子大学『人間福祉研究』. 3. (2000)