2000 Fiscal Year Annual Research Report
ユニバーサル時代を迎える大学教育と高校教育の有機的接続に関する研究-大学進学準備教育の在り方を巡る日米比較研究-
Project/Area Number |
10610275
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Research Institution | TAMAGAWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 義郎 玉川大学, 文学部, 教授 (00188351)
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Keywords | 大学進学準備教育 / ユニバーサル時代の大学教育 / 大学教育と高校教育の整合性 / 大学のリメディアル教育 / アメリカの教育改革 / CPカレッジプレパラとリー / Gear Up プロジェクト / ユニバーサルアクセス |
Research Abstract |
2000年度において、我が国の18歳人口は151万人、高卒者数133万人(高校卒業率88%)、大学・短大入学者数74万人(受験率56%、合格率83%、進学率49%、高卒対比56%)となっている。合格率は毎年伸びており、15年前と比較すると15%+、となっている。確実に合格率100%(受験者全入時代)に向かっていることをこうした数値は示している。こうした時代、高校教育は完成教育としての意味を徐々に失い、大学進学を予定する教育へと変化して行くと同時に、これまでの入学選抜試験が意味を失い、入学後の指導の為の情報収集もしくは学力による相性診断的意味を持つようになる、と言うのが本研究のテーマであった。我が国よりも先にユニバーサル時代を迎えたアメリカの諸状況との比較を試みながら、我が国の大学入試の有り様、高校教育と大学教育の有機的連接のための提言を行うことを目指した。研究の過程で以下の諸事情に注目した。(1)誰がどこの大学にどこの高校から進学するのか、なぜ。(2)高校教育の機能変容(完成教育から進学予定教育へ)、(3)入学選抜試験の変容(選抜試験からAOなど能力判定試験へ)、(4)Gear UP、上級学校に進学する気持ちを形成するプログラム(k-16+α)、そして、(5)こうした変化を支える高校教育と大学教育のカリキュラムの有機的連接がどのようなシステム構築によって一般化されるのか、の日米比較。本研究を通じて、社会に出る準備をする期間が大学にまで延長されたという現実とそれを支えるシステムの構築(入学試験と前後の教育の有り様)を如何に準備するかがより鮮明となった。
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