1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610380
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Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
西村 英一郎 国際武道大学, 体育学部, 教授 (90255175)
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Keywords | スペイン植民地 / カリブ海 / サンタマルタ / カルタヘーナ |
Research Abstract |
本研究は、16世紀のスペイン人の植民活動において、総督や総督区を管轄する上級の植民地府の有力な判事の征服事業に占めた役割を検証することに主眼があったが、南米の北岸サンタ・マルタやカルタヘーナでは総督に任命された商人や成り上がり者が征服を進める一方、王権から命令を受けエスパニョーラ島から査察に入る判事も多く探検を組織したことがセビリアのインディアス資料からも確認できた。とくに、査察判事フアン・バディージョは、内陸に入り、キトからペルーに出て、パナマを経由してエスパニョーラ島に戻ったが、その報告書は準備した遠征の規模や内陸地域の様子を伝えている。彼が出会った別の遠征隊のなかには天文観測のエキスパートもいたようで、土地の正確な位置がわりだされている。カルタヘーナの総督エレディアについては内陸での争いのあと、消息が不明であったが、後の裁判資料からパナマに連行されたあと、フランス海賊対策のために釈放され、カルタヘーナに戻ったことがわかった。 カルタヘーナの総督職を最初に得たフェルナンデス・オビエドについて、オビエド自身が執筆した年代記には植民のため修道会を組織し、五十人分の会士への援助と自らがその院長に任命されることを求めたとあるが、これを裏付ける資料の発見にはいたらなかった。また、ポパヤン総督ベナルカサルについても目新しい資料は見あたらなかった。
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