1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610404
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Research Institution | Paleological Association of Japan Inc. |
Principal Investigator |
堀内 明博 財団法人 古代学協会, 古代学研究所, 助教授 (70291903)
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Keywords | 平安京 / 儀礼 / 住空間 |
Research Abstract |
平安宮の中で政務や儀礼の中心は、大極殿・朝堂院であり、その殿舎配置に関しては、九条家本をはじめとする様々な指図がしられる。更に近年考古学的成果に基づき、その復元研究も積み重ねられ、昨年度新たに得られた知見から大極殿・朝堂院域の復元作業を行った。今年度はその成果に基づき500/1京都市現況図による街区と標高点の3次元データをデジタイザー化する作業を中心に、随時入力していった。その上で大極殿・朝堂院域に関して3次元データ化し終わったものをコンピュータ上でCAD情報に変換し、ワイヤフレームモデルを構築する段階に到った。一方大極殿・朝堂院域における主要な調査地点の遺構検出面のレベルに注目し、当地域の旧地表の復元に関する作業を開始した。その中で大極殿北端の昭慶門から龍尾壇までの傾斜は比較的なだらかで、龍尾壇の高低差も1.5m前後と比較的ないこと、朝堂院域の各殿舎ごとの高低差が一定してなく、ばらつきがみられることが明らかになりつつある。その上で現地表面との対応関係の検討が次の作業として必要となる。 また宮城指図の内、陽明文庫本、仁和寺本、故福山敏男先生所蔵本などのスキャナーで読みとり、復元した大極殿・朝堂院域と指図の関係を検討する作業も開始した。 更に内裏地域についても500/1京都市現況図の街区と標高点(単点、一筆高)の3次元データをデジタイザー化する作業を開始した。おりしも京都市南区久世殿城の長岡京から「東院」に想定される遺跡が発見され、平安宮の初期の内裏を知る上で重要な手がかりが得られた。調査関係者の協力を得て、次年度その遺跡の3次元データ化を図ると共に平安宮内裏で確認された遺構群との比較し、分析を行う予定である。
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