1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610444
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鹿島 英一 九州大学, 留学生センター, 教授 (20253700)
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Keywords | 漢字圏の文字 / 漢字の文字単位集合 / 情報理論的研究 / 新旧字体 |
Research Abstract |
本年度行ったことは以下の様である。 現代漢語の漢字の内、簡体字はその約99%が2400字ほどで書かれているという調査があり、その集合は日本語の常用漢字に相当する。だが、両集合の字形は同じでなく、日本の常用漢字の4割近くが簡体字と異なる。 1. 台湾国語文や香港漢語文でこれらに相当する文字単位集合を抽出する必要があるが、この規模の集合に対しては研究がない。本年度はこのための繁体字による生資料を網羅的に集める所から始めた。新旧の資料をかなり多量に収集でき、現在、資料の整理にかかっている。 2. 漢字圏の疑似漢字文字である、西夏文字、契丹文字、女真文字、字喃などの内、西夏文字の関連文献の整理を行いつつある。この文字にも漢字と同じく、文字単位を設定するつもりであり、現在、肯定的な方法でその可否を検討中である。 3. 日本と中国の新字体の文字単位集合の要素の差異については以前に考察したが、今回はその残存部分についての違いを行なって、幾分修正した。また、文字単位の空間的な配置の違いを実例に基づいて詳しく調べ、それを中心にして東アジアに現在存在している新漢字圏の文字構成の実態が、漢字圏の漢字常用者の意識とはかけ離れたものになっていることを示した。また、同時にそれが漢字の検索方法とも絡んで、漢字圏の再統一を阻んでいること一因であることを示した。
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Research Products
(1 results)