2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610444
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鹿島 英一 九州大学, 留学生センター, 教授 (20253700)
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Keywords | 漢字圏の字形集合 / 共通字形率 / 繁体字 / 幾何的同一 / 韓国漢字 |
Research Abstract |
基本的には,前年度を継ぎ,曾て漢字圏の周辺に分布していて今では,死滅した類似漢字の研究資料の収集・整理を継続するとともに,既に収集・整理した資料を基に具体的な分析作業に入った。また,日本や中国の新字体と比較する観点から,台湾や香港でも使用中の繁体字の集合論を,最近導入された韓国漢字を主対象にして展開し,その集合論的特徴を解析した。尚,論文として纏めた概要は以下のとおり。 (1)回転・反転を含む幾何的「同一」を採ると,史的同源性のあるギリシャ系諸文字(ラテン文字(大小両種)/古典ギリシャ文字/ロシア文字)の相互間と比べることにより,片仮名と現行漢字(日本の新字体/中国の簡体字)の共通字形率が,ロシア文字と他3種の値をかなり上回り,文字単位集合の関係付けに共通字形率という新指標の可能性が発生した。そこで,試論として,カタカナ/注音字母(台湾)/漢字(中国)/ハングル/ラテン大文字/略体吐(韓国)/に関して適用してみた結果,有効と分かった。 (2)新字体(簡略形)を部分的に含むが,1800字が常用字の現代韓国文の漢字は基本的には康煕字典式の旧字体である。これを,日本の常用漢字と中国の簡体字の曾ての分析に倣って,繁体字の集合論を展開し,抽出した文字単位集合の各字形の幾何的対称型の分布状況を得た。繁体字集合が簡体字や日本漢字とは別の文字集合であることを確認し,またその特徴も得た。
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Research Products
(2 results)