1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610448
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
筧 文生 立命館大学, 文学部, 教授 (60066628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 鮎子 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (60288660)
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Keywords | 北宋文学 / 北宋別集 / 考証学 / 版本学 / 『四庫全書総目提要』 / 『四庫提要弁証』 / 『四庫全書総目提要補正』 / 『四庫提要北宋五十家研究』 |
Research Abstract |
清の乾隆年間に編纂された四庫全書の解題すなわち『四庫全書総目提要』は、清朝考証学の精華であり、今日、中国古典文学研究の基本文献として高く評価されている。しかしながら、『提要』にはすでに胡玉縉『四庫全書総目提要補正』や余嘉錫『四庫提要弁証』が指摘するように、いくつかの事実誤認や偏った議論が見られる。本研究の目的は、北宋および南宋文人の別集の『提要』に詳細な注釈を施すことで『提要』の誤りを正し、伝記・版本・文学評価を考証しようとするものだが、そのうち北宋の部については、平成10年度中にほぼ作業を終えることができた。特に力を注いだのが、『提要』の文学評価と版本の考証である。文学評価では、『提要』が引用する雑記等の原典を調査し、その出典をほとんど完全に突き止めることができた。版本については、可能な限り蔵書機関に赴いて調査したが、一部マイクロフィルムに拠ったものもある。 こうした研究のうち、研究者が重要と判断した北宋文学者五十家(欧陽修・蘇洵・蘇軾・蘇轍・王安石など唐宋八大家を含む)の『提要』注釈については、来年度中に『四庫提要北宋五十家研究』という書名で図書出版の予定であり、現在、文部省に研究成果公開促進費を申請中である。本研究が公開出版されたあかつきには、必ずや北宋文学研究の基本文献となるものと確信する。
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Research Products
(1 results)