1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10610448
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
筧 文生 立命館大学, 文学部, 教授 (60066628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 鮎子 龍谷大学, 経済学部, 助教授 (60288660)
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Keywords | 宋代文学 / 北宋別集 / 『四庫全書』 / 『四庫全書總目提要』 / 『四庫提要北宋五十家研究』 / 訳注 / 基礎研究 / 版本 |
Research Abstract |
日本の宋代文学研究は、一部の古文家や詞の作者を除いて質・量ともに唐代のそれに及ばないのが現状である。我々は別集に関する基礎研究の不足こそがその主な原因であると考え、『四庫全書總目提要』宋代別集の部をとりあげ、訳注という基本作業を進めてきた。 『四庫全書』は北宋別集として115家122種の別集を著録している。平成10年度中にはこれらの訳注作業の大半を終え、平成11年度はその整理と分析にあたった。このうち、主な文学者50家56種の別集提要については、文部省の研究成果公開促進費の助成を受けて『四庫提要北宋五十家研究』(筧文生・野村鮎子著 汲古書院 2000.2)として上梓した。本書は小伝・原文・訓読・現代語訳・注・付記の六部門から成る。とりわけ力を注いだのが注であり、版本については可能な限り国内の所蔵機関に赴いて確認した。本書は今後、宋代文学研究に必備の文献となろう。 また、平成11年夏には中国における宋代文学研究の中心である四川大学古籍整理研究所を訪れる機会を得、そこで日本では見ることのできない資料の閲覧を許された。この訪中の収穫はとりわけ大きく、同研究所の曾棗荘教授からは『四庫提要北宋五十家研究』に取り上げるべき文学者について、貴重な助言を賜った。曾教授はまた出版に際して序文を寄せてくださった。 ただ、南宋別集は北宋別集の数倍の量があるため、訳注作業と整理が思うように進捗せず、出版に至らなかったことは残念である。今後、数年の後にはこれを整理し、南宋編の出版をめざしたい。
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Research Products
(2 results)