1999 Fiscal Year Annual Research Report
現代ドイツの社会変化を反映する言語変化の研究-語彙の問題を中心として-
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10610500
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
本田 義昭 山口大学, 人文学部, 教授 (50116753)
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Keywords | 社会変化 / 言語変化 / 語彙 / 時事ドイツ語 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は,最近10年間のドイツ語の語彙の変化を特徴付ける数千語のキーワードを基に,語彙の変化が起きる要因は何か,語彙の変化はどのようにして一般に認知されるようになるのか,語彙の変化はどの分野で起きやすいのか,などを社会的背景を踏まえて究明することである. 2.2年目にあたる今年度は,平成10年度に作成した基礎デー夕の分析を行なった.まず,現代ドイツ事情・ドイツ現代史関係のビデオソフトを再生して得られた情報をパーソナルコンピュータに入力してデータベースの整備を進めた.次に,平成10年度に抽出した約3500語のキーワードについて,それらがドイツの社会の変化とどのように関係しているかを,時事ドイツ語関係の図書を参考にしながら分析した.そして,この方面に造詣の深いバーゼル大学ドイツ学科のアンドレアス・レッチャー教授を招聘し,社会変化と言語変化の問題について共同討論を行なった.また,これに関連して同教授の公開講演会を開いた. 3.今年度に行なった研究によって以下の事が明らかになった. (1) キーワードのほとんどは名詞・形容詞・動詞のいずれかの品詞で,名詞が特に多い. (2) 分野別に見ると,政治・経済・環境・情報通信などの分野のキーワードが目立つ. (3) 情報通信分野のキーワードには英語からの外来語が多い.その点を抜きにしても,情報通信関連のキーワードは日本人には理解しやすい.これは,ドイツにおける情報通信をめぐる状況が日本と類似しているからであろう. (4) これに対して,ドイツの政治・経済の分野は日本とは事情がかなり異なるため,キーワードの日本語訳だけでは何のことかよくわからず,背景の説明を必要とするものが多い.
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Research Products
(1 results)