1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10620016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中川 明 北海道大学, 法学部, 教授 (60301008)
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Keywords | 子どもの人権 / 紛争解決 / 裁判モデル / 裁判外紛争解決モデル |
Research Abstract |
研究2年目の今年度は、初年度における基礎的・原理的検討をふまえて、子どもに対する具体的な人権侵害事例に即して個別的に検討することにし、その手はじめとして、現在日本における子どもの人権侵害のうちなお最も深刻な事例である「いじめ」に対する救済のあり方を中心として、研究を進めることにした。既に初年度において、研究者が弁護士時代にかかわった事例を一つのモデルにして序論として考察した成果は、論稿「子どもの死をめぐる学校の説明責任」としてまとめられていたが、これが発表された。更に、救済に関する制度を具体的・実践的に検討することにし、試論としての「救済モデル案」についても、その概要を-1999年8月22日付「東京新聞」におけるコメントのかたちで-発表した。その後、これらを含めて、法化社会におけるいじめに対する具体的な救済モデルに関する総合的な考察を行い、その結果を論稿「いじめ問題に法と制度はどう取り組むべきか-法化社会における課題-」としてまとめたので、発表することになった。 次に、いじめを含む人権救済制度の一つとして、最近各自治体で取り組みがはじまった「子どもの人権オンブズパーソン制度」について、川西市、東京都、川崎市などの資料を広く収集したが、なお制度設計に向けて進行中のものもあり、総合的な比較検討は、次年度の課題となっている。また、法務省の人権擁護局に設けられた「子ども人権専門委員制度」の実態について、東京都子どもの人権専門委員長にインタヴューするとともに、実績報告書などの資料を入手した。それらの検討も次年度の課題となる。
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Research Products
(2 results)