1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10620029
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
木棚 照一 早稲田大学, 法学部, 教授 (90066697)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 雅顕 明治大学, 法学部, 専任講師 (30287875)
根本 洋一 横浜国立大学, 経済学部, 助教授 (60198570)
廣江 健司 桐蔭横浜大学, 法学部, 教授 (90143354)
江泉 芳信 青山学院大学, 法学部, 教授(学生部長) (50103601)
矢澤 昇治 専修大学, 法学部, 教授 (00128323)
|
Keywords | 国際取引法 / インターネット取引 / WTO(世界貿易機関) / TRIPs協定 / 国際契約 / 紛争解決手続 |
Research Abstract |
本年度は、三年間の研究計画の最初の年であったので、今後三年間で行う研究の全体構想を設定し、各研究者が分担部分の研究の構想を明らかにし、月例の研究会で報告して、検討を加えることに重点を置いて研究を進めた。 本年度の最初の研究会(5月16日)では、江泉研究分担者から「インターネット取引と課税」と題して、インターネット取引に関する課税についての最近の傾向と問題点が報告され、討論された。とりわけ、TheMultistates Tax Commissionが採用する代理理論が妥当であるがどうかを検討した。6月13日の研究会では、芳賀研究分担者から「訴訟係属の多義性」と題する報告があり討論した。国際的訴訟競合を原則として認めない立場を採る場合における前訴の訴訟係属の時期の判断基準を各国法における送達方法の相違を考慮しつつ、どのように定めるべきかを議論した。7月11日の研究会では、本棚研究代表者が「現代における國際契約法上の諸問題」と題して、国連物品売買条約、ユニドロア国際商事契約規則を念頭において統一法と國際私法の関係を論じるとともに、國際私法立法研究会の法律試案(民商法雑誌112巻2号106頁以下)を素材としながら契約準拠法に関する立法論的考察を報告し、討論した。同時に、各分担者に自分の分担部分に関する計画を報告して貰い、検討した。11月28日の研究会では、矢沢研究分担者により「WTOにおける紛争解決手続」と題する報告があり、WTO設立後の紛争解決手続の特徴と課題について討論した。1999年1月23日の研究会では、本棚研究代表者が「WTOのもとにおける知的財産権保護の意義と問題点」と題する報告をし、討論した。TRIPs協定における知的財産権の国際的保護強化の意義とそこで前提とされている属地的知的財産権の行使をめぐる問題点について議論した。 これらの研究会を通じて、WTOのもとにおける新しい國際取引法の在り方についての共通認識を深めるとともに、各分担部分の構想を明らかにすることができたと考える。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 木棚 照一: "特許製品の並行輸入に関する一考察-BBS最高裁判決を契機として-" 早稲田法学. 74巻4号(掲載予定).
-
[Publications] 廣江 健司: "国際企業法研究序説-法人の従属法の選定について-" 桐蔭法学. 5巻1号. 35-60
-
[Publications] 廣江 健司: "国際租税法研究序説-アメリカ合衆国における国際課税の当初の趣旨-" 桐蔭法学. 5巻2号. 1-48
-
[Publications] 河野 正英: "財産関係の国際裁判官轄権" 国際社会学研究所紀要. 7号(掲載予定).