1999 Fiscal Year Annual Research Report
現代ドイツ自治体福祉行政の経営管理をめぐる管理職、専門職、政治職間の関係の分析
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10620064
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山下 治和 金沢大学, 医学部, 助教授 (10220344)
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Keywords | 「新しい管理運営モデル」 / 「行政資源に対する責任の分権化」 / 戦略的管理運営 / コントローリング / 専門系部局 / 官房系諸局 |
Research Abstract |
本研究(3年計画)の1年目(平成10年度)においては、「行政組織のスリム化による公共政策実現上の機能性・機動性の向上」という、日本・ドイツにおける地方自治体行政管理改善の基本方向が仮説として得られた。 本研究の2年目(平成11年度)においては、「スリムな組織に最大限の行政機能を発揮させるための管理改善方法は何か」という準拠枠組みの下で、ドイツの多くの中規模都市で共通に採用されている管理改善方法を解明することを目標にした。そのために、「財団法人自治体行政簡素化研究所」(KGSt)の勧告書・報告書・調査結果資料を分析した。そして、分析して得られた次の知見を、本報告書の11.に記した学術論文にまとめた。 (1)ドイツ自治体「行政現代化」の青写真である「新しい管理運営モデル」には、 (1)「(当該地方自治体の)行政資源に対する(行政専門部局の)責任の分権化」という方法或いは方向性と、 (2) (1)を前提にし、当該自治体行政全体レベルで、「集権的で戦略的なコントローリング」を支援手段とする「集権的かつ戦略的な管理運営」体制を再確立するという方法或いは方向性が論理的に内在している。 (2)1.(1)の方法或いは方向性の本質的引照点である「生産物」記述について、専門部局目標の明確化及び専門部局目標の合意促進という成果が得られている。しかし、目標記述・生産活動記述が必要以上に詳しくなりすぎるという問題が生じている (3)1.(2)の方法或いは方向性の中の「集権的で戦略的なコントローリング」について、その手段の中では報告制度(特に財務報告制度)の整備が進捗している。しかし、その他の手段の整備は遅れており、また「集権的コントローリング」を総合的に保証する中央行政機関は一般的に設置されていない。 平成12年度には、「ドイツ自治体行政における専門職に対する管理の実態・論理」を調べる。そして、次の3点を究明するつもりである。(1)人事管理上、特に専門職全般に対する人事管理上何が問題になっており、これらの問題に対してどのような改善がなされているのか。(2)コントローラーの役割を、ライン管理職とスタッフ的管理専門職がそれぞれどのように担っているのか。(3) (1)・(2)において、政治任用官吏・議員は、どのような形で関与しているのか。
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Research Products
(1 results)