2001 Fiscal Year Annual Research Report
貨幣金融制度と経済発展:理論的分析および明治初期日本と19世紀米国の比較分析
Project/Area Number |
10630094
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
薮下 史郎 早稲田大学, 政治経済学部, 教授 (30083330)
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Keywords | 金融制度 / 貨幣制度 / 制度 / 経済発展 / 政治制度 / 取引費用 / 不完全情報 / 中小企業金融 |
Research Abstract |
本研究では『貨幣金融制度と経済発展』の問題を理論的かつ歴史的に分析することである。本年度の研究内容は次のとおりである。 (1)本研究プロジェクトでこれまでに行ってきた成果を『貨幣金融制度と経済発展:貨幣と制度の政治経済学』(有斐閣、2001年9月)としてまとめ刊行した。本書の目次は以下のとおりである。 序章 本書の目的と構成 第1部経済と制度 第1章制度と経済活動;第2章経済と政治制度;第3章経済制度の成立と変化 第2部貨幣金融制度と経済活動および成長 第4章貨幣金制度と経済活動;第5章取引費用、貨幣需要および家計行動:第6章経済変動と銀行の自己資本・貸付;第7章中小企業と経済発展;第8章経済成長と貨幣金融制度;第9章金融革新と内生的経済成長 第3部貨幣金融制度の成立過程 第10章明治初期の貨幣金融制度の成立過程;第11章アメリカの貨幣金融制度の発展 すなわち、本書では、まず第1部で経済制度に関する一般的理論、とくに政治経済学的アプローチを展開し、その後第2部においてそれに基づいて貨幣制度・金融制度を理論的かつ歴史的に考察している。貨幣金融制度の分析においては、主として取引費用と経済活動との関連および金融制度と経済成長・発展との関連を情報と市場の不完全性の観点から理論的に考察している。第3部の歴史的分析においては、明治初期における貨幣制度の成立過程と19世紀におけるアメリカの貨幣制度の発展過程を政治経済学的観点から比較検討している。 (2)本研究の成果の発表として上掲書の内容に基づき、『不完全情報化の金融システムと経済発展』と題して、3月末に中国南開大学において集中講義を行う。 (3)中小企業金融に関する理論と実際(とくに日本とアメリカの比較について編集執筆を行っている。(東洋経済新報社から近刊)
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藪下史郎: "貨幣制度、金融革新、および内生的経済成長"地域金融問題研究. 4号. 117-136 (2001)
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[Publications] 藪下史郎: "中小企業と金融発展"金融構造研究. 23号. 24-33 (2001)
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[Publications] 藪下史郎: "貨幣金融制度と経済発展:貨幣制度の政治経済学"有斐閣. 393 (2001)