1999 Fiscal Year Annual Research Report
テンソル園に対する新しい双対定理と位相的場の量子論の同値性
Project/Area Number |
10640019
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 孝宏 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (60208618)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (20224016)
中西 知樹 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (80227842)
土屋 昭博 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (90022673)
太田 啓史 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50223839)
|
Keywords | 量子群 / テンソル圏 / 淡中双対性 / Littlewood-Richardson則 / 6j-symbol |
Research Abstract |
研究課題にある新しい双対定理とは、各有限分裂半単純テンソル圏Cに対し、余可群の圏がCに同値になるような面代数(量子群)を自然に対応させる標準淡中双対性と呼ばれるもののことである。標準淡中双対性はもともと、位相的場の量子論に現れるものの様に、群やホップ代数の表現論から得られない様な半単純テンソル圏に群論的意味付けを与えることを目的として考えられたものであった。 ところが、最近の研究により、テンソル圏が群の表現の圏として得られている場合にも標準淡中双対性により、もとの群の表現論に新しい知見を与えうるということが新たにあきらかになってきている。すなわち、前年度に得られた、6j-シンボルをABF模型と呼ばれる面型格子模型のボルツマンウェイトにより表示する公式に引続き、一般線形群GL(N,C)の二つの有限次元既約表現のテンソル積表現の既約分解を表現空間のレベルで具体的に記述する「Littlewood-Richardson 基底」を構成することができた。これは、GL(N、C)の表現論と、その標準淡中双対の表現論との間のアナロジーを追うことにより得られたものであり、少なくとも考え方としては新しいものであると思う。 なお、今後の課題としては、同様な方法により、A型のWZW模型の融合則に対し、Littlewood-Richardson則の類似物をあたえることがあげられる。また、標準淡中双対性をFRT構成と呼ばれる面代数(量子群)への別のアプローチと結合させることにより、A型の融合則をもつリボンテンソル圏の分類を完結させることもやっておきたいと考えている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Takahiro Hayashi: "Face algebras and Unitarity of SU(N)_L-TQFT"Communications in Mathematical Physics. 203. 211-247 (1999)
-
[Publications] Takahiro Hayashi: "Galois quantum groups of II_1 subfactors"Tohoku Mathematical Journal. 51. 365-389 (1999)