2000 Fiscal Year Annual Research Report
アクシオンによる銀河磁場生成と銀河磁場中でのアクシオン星からの輻射
Project/Area Number |
10640284
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
岩崎 愛一 二松学舎大学, 国際政治経済学部, 教授 (90203356)
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Keywords | アクシオン / 中性子星 / ガンマー線バースト / 超高エネルギー宇宙線 |
Research Abstract |
ガンマー線バースト、および、超高エネルギー宇宙線の起源に関しては、未だ解明されてはいない。ここでの理論研究で、その起源としてあるメカニズムを提唱した。それは、アクシオンが重力的に集まり星となったアクシオン星と呼ばれるものと、中性子星との衝突である。その衝突で、アクシオン星は中性子星の強磁場の下で電磁波に転化し、それが中性子星の中で吸収され、結局、そこで蒸発してしまう。その結果、急速に開放されたエネルギーで、中性子星の外層(クラフト)が吹き飛ぶ。それが、ガンマー線バーストを発生させるもとになる粒子の風を生み出す。このメカニズムでは、その風の粒子は外層を構成していたもので、その全質量は太陽質量の10万分の一以下である。このことは、観測されるガンマー線バーストから、その起源を考えるとき要求されるものである。他のガンマー線バーストの起源も提唱されているが、この条件を満たすことが困難とされている。その点が、ここのメカニズムの利点である。 ガンマー線バーストは以上であるが、そのとき仮定されていることが、中性子星の磁場の強さとして、10の12乗以下であることである。それ以上の磁場に対しては、アクシオン星は衝突前に崩壊してしまう。それはアクシオン星が強磁場のもとで発生する強電場が、自発崩壊するためである。この電場で加速される荷電粒子は、超高エネルギー宇宙線として観察される10の20乗電子ボルト以上になるのである。これが、超高エネルギー宇宙線が発生するメカニズムとして私が提案したものである。
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[Publications] A.Iwazaki: "Ultra high energy cosmic rays from axion stars"Physics Letters. B498. 353-358 (2000)
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[Publications] A.Iwazaki: "X-rays from old neutron stars heated by axion stars"Physics Letters. B486. 147-152 (2000)