1999 Fiscal Year Annual Research Report
独立分子モデルによる水中の球状蛋白質及びその周りの水分子のダイナミックスの研究
Project/Area Number |
10640397
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
吉沖 周三 八代工業高等専門学校, 情報電子工学科, 教授 (30132674)
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Keywords | 蛋白質のダイナミックス / 水分子のダイナミックス / 規律振動解析 / BPTI / オイラー角 / 蛋白質の二面角 / 原子の熱楕円体 / エネルギー極小構造 |
Research Abstract |
昨年度購入したPCUNIXで以下の解析を実行しつつある。まず58残基の球状蛋白質Bovine PancreaticTrypsin Inhibitor(BPTI)を水分子358個の水中(含水率99%に相当)に入れ独立分子モデルで蛋白質と水分子のエネルギー極小構造を見い出すことができた。蛋白質の内部運動を現わすためには、蛋白質内のボンド長と結合角を固定してボンドの周りの回転である二面角を自由度として選ぶとBPTIでは304個の自由度がある。水分子の内部運動を現わすためにはO-Hのボンド長2個とH-O-H角の計3個の自由度を選ぶ。蛋白質及び水分子の外部自由度として、ある固定座標系からの並進ベクトルの3成分と回転を表わす3つのEuler角の計6個である。従って水のもつ全自由度は9×358=3222個となる。BPTIのもつ全自由度310個とあわせると含水率99%の蛋白質-水系の全自由度は3532個となる。この系のエネルギーの自由度による1次微分値と2次微分値よりコレスキー分解によって自由度を動かして系のエネルギーを下げた。1次微分値が仮想的に0、2次微分行列(Hessian matrix)の固有値がすべて正となるまでエネルギーが下がったところでエネルギー極小化計算をやめた。現在この極小点で規準振動解析を実行している。この方法で蛋白質及びその周りの水分子のダイナミックスが解析される。昨年度含水率60%のBPTIのエネルギー極小構造を得たので両者のダイナミックスの比較を行う予定である。
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