1998 Fiscal Year Annual Research Report
深海底用電極アンテナの開発とELF帯域海底電波環境の研究
Project/Area Number |
10640410
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
佐々木 宏 高知大学, 理学部, 教授 (80036566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 亨 高知大学, 理学部, 助手 (90243815)
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Keywords | 電極アンテナ / ボールアンテナ / 海底電場 |
Research Abstract |
従来開発されてきた,海水中で稼動する電極アンテナとその周波数感度領域を高周波側にシフトし製作したステンレス板電極を用いて,浅い海底での予備観測を実施した。予備観測(実験)は高知県土佐市宇佐の沿岸海域にて,98年8月から12月にかけ、地元の渡船業者並びに高知大学海洋教育研究センターの小型船の協力で行った。20m水深までの実験では、主として今まで開発してきたボールアンテナ型海底電場装置による測定結果と比較することに重点を置き実施した。この結果,ステンレス型電極アンテナ装置の場合には10Hz〜1KHz領域において、±2μV/mの最小検出感度を得ることが確認できた。20m以深の測定は,20m,70m水深で各1回の実施し,沿岸部での海底の電場環境の基礎的な情報を得た。特に陸地部にも垂直電場測定システムを同時に設置,稼動させ,大気中の自然電磁波がどの程度海底まで侵入するか観測した。理論的な予測との比較を行い予想通りの結果を得た。なお,70m水深での結果は,大気中の自然電磁波のあまり活発でない晩秋に実施したため,精密なデータは得られなかった。平成11年度にこの深さでの測定を再度実施する予定である。 一方,増巾器系と記録系の開発も同時に深厚された。10^4倍の利得を持つ広域主増巾器の開発は,市販のビデオ用高〓度OPアンプを用いて行い,周波数帯域をほぼLVF帯(30KHzまで)にまで広げる事ができた。記録系部は、GPS標準時刻発生器の導入期間が秋期になった(調整のため)ので遅れている。回路系の基本製計は終えたが,長期間の記録を実施するには,電源がバッテリーであるので,更に消費電力の少いシステムに改良する必要がある。
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