1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640605
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
甲山 隆司 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (60178233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
露崎 史朗 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 助教授 (10222142)
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Keywords | 針葉樹林 / 群衆境界 / ライントランセクト / 更新パッチ / モザイク / デモグラフィー / 攪乱 / アカエゾマツ |
Research Abstract |
知床半島・遠音別岳西斜面(地滑り地形面)および東大雪・東ヌプカウシ山東斜面(火山性岩礫地)において、ライントランセクト調査により樹冠のかかる個体のセンサスを実施した。また、目視によって識別された森林境界も併せて記録した。 この調査では土壌深度や硬度も記録し、また、ラインに添ったベルトで主要樹種の更新稚樹・実生のセンサスも行った。トランセクト調査によって明らかにした植生および境界のパターンの空間分布を航空写真によって分析し、地理情報システムを用いた平面図化・地理情報化を行って、更新パッチ・モザイクの特徴や、モザイク構造の地形との対応を明らかにした。 また、永久方形区の設置されている遠音別岳西斜面で、追跡センサスによって3〜4年間の樹種毎の生長・死亡・新規加入速度を記録した。これらのデモグラフィーデー夕に基づいて、境界をもって接する林分間での林木サイズ分布動態の比較分析を行った。 以上の結果から、林分間の境界形成には風や雪等の攪乱の影響が大きく、これらの攪乱に対する樹種間の抵抗性の違いが明瞭な境界を発達させる主な要因と考えられた。また、アカエゾマツの生長速度は極めて遅く、境界の移動にもこれらの攪乱が大きく関与している可能性が示された。
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