1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10640621
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
増子 恵一 専修大学, 経営学部, 教授 (50202312)
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Keywords | 社会性昆虫 / アリ / ノコギリハリアリ / 多女王制 / 社会構造 / 血縁 |
Research Abstract |
本年度も引き続き,ノコギリハリアリ多女王コロニーにおける血縁解析に使用できるDNAマーカーを検討した。昨年度は,CAあるいはACの7回の繰り返し配列の3'端に4塩基をつなげたプライマー(CAP-4-1〜CAP-4-8と命名)を独立に用いてPCRによる個体間多型を検索したが,今回は以下のプライマーを試した:1)CAP-PCR法の本来のプライマーであるdegenerateプライマーを用いた。(CA)_7および(AC)_7の3'端にDG,DA,DT,DC[DはnotC]をつなげたもの,そして(GA)_7および(AG)_7の3'端にHG,HA,HT,HC[HはnotG]をつなげたもの。それぞれCAR-1〜CAR-8,GAR-1〜GAR-8と命名。2)(GA)_7および(AG)_7にCAP-4-1〜8と同じ4塩基をつなげたもの。GAP-4-1〜8と命名。3)(GA)_7および(AG)_7の3'端に2塩基の配列をつなげたもの。[GAP-2-1〜GAP-2-24]4)以上と異なり,5'端にアンカー配列をつなげたもの。次の6種を準備した:CCAG(GT)_6,CCC(GT)_6,CCT(GA)_6,CCC(GA)_6,GCTTG(GT)_6,GCCA(GA)_6。[Wu et al.1994による]5)マイクロサテライトなどの基本単位として知られる配列の数回の繰り返し:(CAG)_5,(TAG)_5,(GATA)_4,(GCGT)_4。 さらに制限酵素を併用して,PCRの鋳型DNAを予め4塩基識別の制限酵素で消化してからプライマーを加えて増幅させる方法(プライマーで狭まれた範囲に切断箇所多型があればそれが増幅産物の長さとして検出できる)と,未消化のDNAを鋳型としてPCR後に制限酵素で処理する方法も試した。その結果,泳動パタンがスメアとなるプライマーも多かったが,GAP-3で常に個体間の多型が検出された。次いでプライマーだけでは多型の出ないGAP-4と制限酵素を組み合わせた場合,用いた5種類の制限酵素のうちHaeIIIとAluIで多型が生じた。本年度は,以上のように多型を検出できる2,3のプライマーを確認することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 増子恵一: "キタウロコアリの雌制について:採集と解剖の結果"蟻. 23号. 4-7 (1999)
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[Publications] 増子恵一: "ツヤクシケアリ(Manica yesseusis)創設女王の幼虫生産について(予報)"専修大学自然科学研究会会報. 70号. 13-23 (2000)
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[Publications] 前田泰生,伊藤文紀,杉浦直人(編): "ハチとアリの自然史(第5章:多足類とコムシ類を補食するアリたち)"北海道大学図書刊行会. 260 (2001)