1998 Fiscal Year Annual Research Report
超平坦基板上への酸化物高温超伝導体薄膜の作製とその成長メカニズムの解明
Project/Area Number |
10650016
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 敏正 日本工業大学, 工学部, 教授 (30129142)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 超平坦基板 / 成長メカニズム / スパッタリング法 / 原子間力顕微鏡 |
Research Abstract |
酸化物高温超伝導体薄膜を高性能電子デバイスに応用する場合に用いることのできるlユニットセル高さのステップと原子レベルで平坦なテラスを有する超平坦MgO(100)基板を作製する技術を確立することを目的として,MgO(100)基板に酸素雰囲気下でアニールを施し,AFMで表面構造の観察を行った。その結果,以下のことが明らかとなった。 1, アニールによって形成されるステップ・テラス構造は,アニール時間が長く,アニール温度が高くなるほどテラス幅は広くなり,ステップ高さは高くなる。 2, その基板表面にはステップエッジ上に基板中のCa化合物が偏析する。 3, その基板表面のCa化合物は超純水で1μm程度基板表面をエッチングすると取り除かれ,その後再びアニールすることでCa濃度が低く,析出物のない基板が得られる。 4, そのとき,H_2Oエッチング後のアニール時間を変化させることにより,テラス幅とステップ高さが制御でき,1100℃で1時間のアニールでMgOの1ユニットセルのステップ高さを有するステップ基板が作製できる。 このような理想的な表面構造を有する基板を作製する技術は,その上に成長する薄膜の成長メカニズムの解明や高品質薄膜の作製に有効である。 今後は,このように原子レベルで制御された基板上に,スパッタリング法でYBCO薄膜を作製し,その成長メカニズムを解明していく予定である。
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Research Products
(1 results)