1998 Fiscal Year Annual Research Report
位相共役戻り光半導体レーザにおける光カオスとその応用に関する研究
Project/Area Number |
10650040
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大坪 順次 静岡大学, 工学部, 教授 (00176942)
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Keywords | 半導体レーザ / 戻り光 / 光カオス / 位相共役光学 / 非線形光ダイナミクス |
Research Abstract |
位相共役光学において、半導体レーザがその光源として用いられるようになってきている。本研究では、半導体レーザを光源とする位相共役光学系において、レーザヘ位相共役光が戻ったときのレーザの振る舞い、ダイナミクスについて理論と実験から論じるとともに、戻り光があるときの雑音制御や、位相共役戻り光のある半導体レーザの応用について検討することを目的としている。 本年度は、位相共役戻り光半導体レーザにおける光カオスの理論的検討として、早い応答を持つ位相共役鏡による戻り光効果についての理論的な式を導き、レーザ出力光のカオス的振る舞いについて基礎的な検討を行った。その結果、早い応答を持つ位相共役鏡からの半導体レーザへの戻り光の効果は、通常の鏡によるものとはかなり異なることがわかった。戻り光によるレーザでは、一般的に通常の鏡による効果の場合よりは不安定となるることがわかった。たとえば外部共振器長変化に対して安定、不安定が周期的現れるが、安定な位置が通常の鏡と位相共役鏡では交互になることなどがわかった。さらに、遅い応答を持つ位相共役鏡における戻り光効果は、通常の鏡からの効果とダイナミクスとしては同一になることが、実験と理論により確かめられた。今後は、系のパラメータの変化によるカオス的振る舞いの分類とそれらに関する実験を行う予定である。 また、これらの成果を踏まえて、光カオスに関するシンポジウムを秋の応用物理学会講演会で主となって開催し、百人を越える聴講者を集め、半導体レーザにおける光カオスを中心として有意義な討論を行うことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Ikuma, J.Ohtsubo: "Dynamics in Compound Cavity Semiconductor Lasers Induced by Small External Cavity Length Change" IEEE J.Quantum Electron.34・7. 1240-1246 (1998)
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[Publications] Y.Takiguchi, Y.Liu, J.Ohtsubo: "Low Frequency Fluctuation by Injection Current Modulation in Semiconductor Lasers with Optical Feedback" Opt.Lett.23・17. 1369-1371 (1998)
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[Publications] A.Murakami, J.Ohtsubo: "Dynamics and Linear Stability Analysis in Semiconductor Lasers with Phase Conjugate Feedback" IEEE J.Quantum Electron.34・10. 1979-1986 (1998)
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[Publications] S.Y.Ye, J.Ohtsubo: "Experimental Investigation of Stability Enhancement in Semiconductor Lasers with Optical Feedback" Opt.Rev.5・5. 280-284 (1998)
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[Publications] 大坪順次: "戻り光半導体レーザにおける光カオス" 第22回レーザー顕微鏡研究会予稿集. 22. 25-31 (1998)
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[Publications] J.Ohtsubo: "Feedback Induced Instablities and Chaos in Semiconductor Lasers and Their Applications" Opt.Rev.6・1. 1-15 (1999)