1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650050
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
内田 照雄 摂南大学, 工学部, 教授 (60029155)
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Keywords | 分光測定 / 蛍光寿命 / 位相分解測定 / 時間分解測定 / 分光画像 |
Research Abstract |
二次元的広がりをもった試料について、分光測定による蛍光化学種の同定と、その化学種毎の濃度分布計測においてスペクトル強度情報の他に蛍光寿命情報の追加は、演算処理の速度・精度を多いに向上させるものと考える。一般にこのような蛍光寿命分布の測定においては、パルス光源で試料をスポット励起し、引き続き生ずる蛍光を高速検出器で、x-y方向の走査を行ないながら測定するという方式がとられる。この走査方式は観測時間が長く、信号利用率が低いという欠点を有する。 研究目的は,励起光源の二重振幅変調とイメージインテンシファイヤ(I.I.撮像素子)の内部利得変調を用いることにより、x-y走査を行うことなく、nsの分解時間で二次元の蛍光寿命情報を瞬時に得ること、分光パターン計測に、蛍光寿命情報を加えて、分析の精度を向上することにある。 本年度は昨年度に引き続き装置の製作に重点をおいた研究を行なった。 変調用電極としてI.I.撮像素子の光電面電極およびチャンネルプレート入出力側電極を用いて利得変調の効果を調べた。いずれも電極に加える変調信号の振幅が15V_<P-P>で利得変調が可能でありことが分かった。しかし効率や利得の安定性等を考慮すると光電面電極を変調電極として用いるのが望ましいことが分かった。 直列配置されたAO変調器およびI.I.撮像素子の変調のため、3種類の変調用発信器が必要であるが,そのうち,1個のAO変調器は,他の2つの変調周波数の差周波数で駆動する必要があり,両者の変調信号のミッキシングにより発生させた。 アクリジンオレンジおよびルブレンの濃度10^<-4>Mエタノール溶液を用いて装置の動作の検証実験を行なった結果,nsオーダーの分解時間が得られた。しかし,位相分解蛍光画像測定のSN比向上が今後の課題である。
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