2000 Fiscal Year Annual Research Report
熱衝撃による熱応力焦点化現象の粒子分散系複合材料に及ぼす影響
Project/Area Number |
10650081
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
畑 俊明 静岡大学, 教育学部, 教授 (40005351)
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Keywords | 熱応力 / 熱衝撃 / 応力焦点化 / 複合材料 / 応力波 / 弾性 |
Research Abstract |
近年、傾斜機能材料のような粒子分散系複合体の開発が盛んとなった。しかし、この種の複合材の熱衝撃強度解析は、まだその緒についたばかりである。そこで、本研究では、円柱状、球状粒子分散系複合材を対象として熱衝撃破壊強度解析を行う。この研究は平成10年度より始められ13年度に完結する研究である。以下、本研究により得られた研究成果の要約である。 1.粒子分散系複合材料の熱衝撃解析 (a)円柱状粒子の非軸対称熱衝撃加熱による熱応力の焦点化現象の解析 円柱状粒子が衝撃的に加熱された場合、円柱粒子内の熱応力焦点化現象による波動現象を解析し、熱応力の応力特異性を解明した。この論文はJ.Thermal Stresses雑誌に掲載予定である。 (b)球状粒子の非軸対称熱衝撃加熱による熱応力の焦点化現象の解析 球状粒子が衝撃的に加熱された場合、球状粒子内の熱応力焦点化現象による波動現象を解析し、熱応力の応力特異性を解明した。本論文は日本機械学会論文集に掲載予定である。 2.磁性粉体を用いた粒子分散系複合材料の作成と強度評価 磁性粉体を粘土をボンド材として結合した磁性粒子分散系複合材料を製作する。この磁性体複合材料をレンガ状に作成し、その強度及び、顕微鏡組織を観察しその強度特性を実験的に評価する。次に、有限要素法を用いて、この強度を数理的に解析し、熱衝撃を受ける粒子分散系複合材料実験の際の基礎資料とする。この材料の破壊による焦点化現象を解明し、日本機械学会講演会で講演した。 3.YAGレーザーを用いた球状粒子の熱応力の焦点化現象の実験的検証 ガラス製の試験片を作成する。次に、YAGレーザーにより、ガラス試験片に熱衝撃を加える。この熱衝撃による波動現象は、超小型AEセンサーにより計測され、コンピューターにより解析される。これらの、計測されたガラス試験片内の熱応力波動現象より温度伝播速度と、応力波伝播速度を特定し、熱衝撃による動的破壊強度を解明し、これらの材料の熱衝撃による動的破壊強度を解明する基礎資料を作成した。 以上により、平成12年度の申請内容は、達成される見通しとなり有益な研究結果が得られた。
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[Publications] 畑俊明: "20世紀の工学的遺産の21世紀への伝承-切欠き論文とその伝承方法-"日本機械学会2000年度年次大会講演論文集,. III-00-1. 103-104 (2000)
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[Publications] 畑俊明: "衝撃的な除荷を受ける円柱状介在物中の応力焦点化現象"日本機械学会材料力学部門講演会講演論文集,. 00-19. 313-314 (2000)
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[Publications] 畑俊明,池谷尚伸: "音速測定についての一考察-微小非金属材の音速測定システムの構築-"第18回日本産業技術教育学会東海支部大会講演論文集,. Vol.1. 37-41 (2000)
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[Publications] 畑俊明: "衝撃的な除荷を受ける弾性体中の球状介在物中の動的応答"第13回計算力学講演会講演論文集,. 00-17. 241-242 (2000)
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[Publications] 畑俊明: "衝撃的なEigenひずみ負荷による固体の応力焦点化現象"第50回理論応用力学講演会講演論文集,. NCTAM2001. 143-144 (2001)
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[Publications] T.HATA,: "Thermal Stress-Focusing Effect Following Rapid Nonuniform heating of Long Cylindrical Rods"Journal of Thermal Stresses,. 24. 93-104 (2001)