1998 Fiscal Year Annual Research Report
反応性スパッタリング法による超硬質多元系窒化物薄膜の高精度組成コントロール
Project/Area Number |
10650096
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小寺澤 啓司 姫路工業大学, 工学部, 教授 (50047594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 尚三 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (50193587)
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Keywords | 窒化チタン / 反応性スパッタリング / プロセス制御 / 分光分析 / 二源スパッタリング |
Research Abstract |
本研究は、スパッタリング時のグロー放電の発光分光分析をプラズマのプロセスモニタとして積極的に利用することで、二源反応性スパッタリング法による(Ti,Al)N、(Ti,Zr)NやTiCNなどの多元系窒化物薄膜作製を高精度化することを目的としている。 本年度は、まず、二源反応性スパッタリング装置を用いてTi-N、Al-N、C-N、Ti-Cなどの多元系窒化物の要素となる化合物薄膜の作製を行った。その際、投入電力、ガス分圧などをパラメータとしてグロー放電プラズマの発光スペクトルも同時に測定した。この結果、Ti、Al、N_2、Arについては発光ピークが確認され、投入電力などの条件に伴ってピーク強度が変化することが明らかとなった。一方、C原字については発光ピークは認められず、発光によってC組成のコントロールを行うことは難しいことが明らかとなった。また、グラファイトターゲットについては窒素雰囲気とすると他の元素とは逆に成膜速度が大きくなるという特異な現象が認められた。これらの成果については、1998年金属学会春期および秋期大会において口頭発表した。 また、(Ti,Al)N薄膜については、種々の投入電力、窒素ガス流量の条件下で成膜を試みた。その結果、Arガス圧およびTi、Al各ターゲットへの投入電力を一定とした条件下で窒素ガス流量を増加させていくと、流量が少ない領域で投入電力比から予想される組成よりAlリッチな薄膜が成長する現象を確認した。このことは、TiおよびAlと窒素分子の反応性が異なることに起因していると考えられる。また、Ti:Al=40:60程度とAlリッチになってもNaCl型の結晶構造を維持できることも明らかとなった。発光強度信号を用いたプロセス制御の実現は、平成11年度の課題である。
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