1999 Fiscal Year Annual Research Report
レーザスペックルセンサーを用いた金属材料の余寿命評価法の開発
Project/Area Number |
10650102
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
加藤 章 中部大学, 工学部, 教授 (00113085)
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Keywords | 光学計測 / 疲労 / 非破壊検査 / 寿命評価 / 画像処理 / 鋼材 |
Research Abstract |
本年度は次の項目について研究を行った。(1)レーザスペックルパターンの広がりの評価法の検討、(2)疲労荷重を加えた場合の材料の表面性状とスペックルの強度分布の関係の観測、(3)一定応力振幅におけるスペックルパターンと応力繰返し数との関係の検討、(4)低サイクル疲労への適用 (1)鋼材試験片に一定応力振幅の繰返し荷重を加え、適当な繰返し数ごとにHe-Neレーザを材料表面に照射し、反射光の干渉により生じるスペックルパターンをCCDカメラを用いて画像処理システムに入力し解析を行った。スペックルパターンの広がりの評価法として、輝度分布の低周波数成分のみを用いて逆フーリエ変換して、分布の傾向を明らかにし、さらにその分布を関数近似して半価幅を求めることにより、評価パラメータとした。この評価法を用いることにより、試験片に照射されるレーザ光の強度の違いやCCDカメラのレンズの絞りの違いなどの実験条件の違いによる影響を受け難い評価を行うことができることが明らかになった。 (2)疲労過程中における表面あらさ曲線を周波数解析し、空間周波数の分布とスペックルパターンの広がりとの対応関係を調べた。すべり帯密度などとスペックルパターンとの関係を調べ、疲労損傷とスペックルパターンとの関係を検討した。 (3)各種の応力振幅において疲労試験を行ない、スペックルパターンと繰返し数との関係を調べ、その間の関係を表わす実験式を考えた。その実験式を用いることにより、スペックルパターンの評価パラメータの荷重繰返し数に対する増加の傾向を観測することにより、測定対象の余寿命を評価する方法を検討した。 (4)鋼材試験片の降伏点を超える荷重を数回から数十回加えた場合のスペックルパターンの変化を観測し、スペックルパターンは荷重繰返し数および応力振幅に依存して変化しており、寿命評価への適用が可能であることがわかった。
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