2001 Fiscal Year Annual Research Report
ジャーナル滑り軸受に対する一般的スターブ潤滑理論の確立とその実験的検証
Project/Area Number |
10650150
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
林 洋次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063760)
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Keywords | スターブ潤滑 / 流体潤滑理論 / トライボロジー / ジャーナル軸受 / 滑り軸受 |
Research Abstract |
ジャーナル滑り軸受に対するより一般的なスターブ潤滑理論を構築するために、その軸受すきまが複数のくさび領域と複数の逆くさび領域から構成される非真円ジャーナル軸受に対して、スターブ潤滑状態が油膜破断が発生し消滅し再び発生する潤滑メカニズムに及ぼす影響を明らかにした。その研究成果を以下に列記する。 理論的研究では、非真円ジャーナル軸受として幾何学的な多円弧偏心ジャーナル軸受を取り上げ、油膜破断が発生し消滅し再び発生すなわち複数の油膜形成領域に対して、軸の回転方向のみならず軸受幅方向にも不完全な油膜形成領域を考慮し、また複数の油膜形成領域が連結された単一の油膜形成領域に対して、それぞれ軸受幅方向に完全およびまたは不完全に形成される場合をも配慮したスターブ潤滑理論の構築を行った。複数の油膜形成境界および油膜消滅境界ならびに複数の油膜破断開始境界および油膜破断終了境界が重なることから、スターブ潤滑境界条件を新たに提案した。油膜の曲線境界形状をいくつかの直線で近似することによって、スターブ潤滑境界条件を簡略化して離散化方程式を導出し、かつ油膜形成領域内の偏微分方程式のレイノルズ方程式を差分法を用いて解析する手法を導入して、自由境界値問題としてコンピュータで数値解析し、油膜形成形状および油膜破断形状、圧力分布、負荷能力などの軸受特性を算出した。 実験的研究においては、楕円軸受と比較のために用いる真円軸受とを透明なアクリル樹脂で製作し、軸も再製作した。ひずみゲージを用いた自作圧力センサによって、軸受隙間内の油膜形成領域および油膜破断領域の圧力分布を測定し、理論解析結果と比較検討した。
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