1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650189
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
関 眞佐子 関西大学, 工学部, 助教授 (80150225)
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Keywords | 微小血管 / 白血球 / 赤血球 / 血管抵抗 / 数値シミュレーション |
Research Abstract |
白血球が存在することによって微小血管の血管抵抗が大きく増加するという最近の実験結果を説明するために、本研究は、白血球が微小血管の血管抵抗に及ぼす影響について流体力学的に検討し、血管抵抗上昇のメカニズムの解明を目指している。本年度は、以下に示す、動物実験で観察されている微小血管内の白血球の特徴的な挙動のそれぞれについて、剛体粒子を白血球のモデルとして用いて、微小血管内における流れの様子および血管抵抗の値を数値的に求めた。 まず、(a)微小血管内を遅く移動する白血球に速い赤血球が次々追いつき、白血球背後に赤血球の高密度の列(赤血球列)が形成されることの影響を調べた。白血球を大きな球状粒子、赤血球を小さな球状粒子として微小管内におけるこれらの粒子の運動を解析した。赤血球は白血球を追い抜くことができないため、白血球の後ろに血管中心軸からずれて互い違いに高密度に並ぶ。この赤血球列の形成により、白血球を含まない場合に比べ、血管抵抗は30%近く上昇する結果が得られた。次に、(b)活性化された白血球が静脈壁に粘着することの影響を調べた。楕円体形状の白血球モデルが血管壁に粘着している場合の流れを数値解析した結果、血管抵抗は著しく増加し、特に血管径が小さいほどその増加は顕著であることが分かった。得られた値は動物実験の測定値と良い一致を示した。最後に、(c)白血球の変形性は赤血球に比べ劣るため、微小血管に入るのに一定の時間を要することの影響を調べた。正常な白血球では血管抵抗の上昇はほとんど無視できるが、活性化された白血球では微小血管入口部付近での滞在時間が長くなる結果、血管抵抗を10%以上増加させる可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Masako Sugihara-Seki: "Force acting on adherent leukocytes and vascular resistance" Biorheology. 35. 232-233 (1998)
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[Publications] B.P.Helmke: "A mechanism for erythrocyte-mediated elevation of apparent viscosity by leukocytes in vivo without adhesion to the endothelium" Biorheology. 36(印刷中). (1999)
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[Publications] 関 眞佐子: "細静脈壁に粘着している白血球に働く力の評価" 混相流シンポジウム'98講演論文集. 233-234 (1998)
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[Publications] 関 眞佐子: "弾性体・流体の力学" 学術図書出版社, 123 (1998)