1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650448
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
丸山 久一 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (30126479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 匠 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (40242002)
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Keywords | 連続繊維シート / 付着試験方法 / 付着応力 / 相対変位 / 炭素繊維 / アラミド繊維 / コンクリート / 構成則 |
Research Abstract |
連続繊維シートで既存のコンクリート構造物を補強する場合、特に、曲げ補強やせん断補強の場合には、シートとコンクリートとの付着性状が主要な影響因子となる.その際、シートの種類(炭素繊維、アラミド繊維:主として弾性係数が違う)、接着樹脂の特性、コンクリート強度等の影響を定量的に評価するための付着試験方法を定める必要がある. 本年度の研究では、既に提案されているコンクリートの直方体ブロックを用いる方法を採用して、まず、シートとコンクリートとの付着性状が適切に測定できるかを検討した.シート面にひずみゲージを数多く貼付して、ひずみを計測することで、付着応力の分布や、荷重の増加にともなって生じる剥離現象を精度よく測定することが可能となった. この剥離現象は、さらに詳しく観察すると、コンクリート表面が剥ぎ取られることであったことから、コンクリート強度を変化させて、さらに付着試験を実施した.その結果、コンクリートの圧縮強度が24-60kN/mm^2程度の範囲では、コンクリート表面の強度性状はほとんど変わらないようで、付着応力相対変位関係はほぼ一定となることが明らかになった.この現象は、繊維の種類が炭素繊維やアラミド繊維でもほぼ同様であって、繊維の弾性係数にもあまり影響されない.なお、接着樹脂の弾性係数を小さくすると、付着応力の伝達区間が長くなり、コンクリート表面ではなく、繊維が破断する破壊モードに移ることが明らかになった. これらの結果から、ここで用いた付着試験方法は、連続繊維シートとコンクリートとの付着性状の検討に十分な結果を与えることが明らかになり、標準試験方法としての可能性が見出された.
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