1998 Fiscal Year Annual Research Report
混合粒径河道の自由蛇行とその河幅維持機構に関する研究
Project/Area Number |
10650497
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 康行 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20261331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 仁志 北海道開発局, 開発土木研究所・河川研究室, 室長
泉 典洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10260530)
関根 正人 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (60187854)
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Keywords | 混合粒径 / 細粒土 / ウォッシュロード / 浮遊砂 / 川幅維持 / 洪水観測 / 二次流 / 数値計算モデル |
Research Abstract |
1.混合粒径の材料で構成された一様湾曲流路が外岸方向ヘシフトしていく過程に関する数値計算モデルの構築を行いました.流路の変動とリンクする形で土砂の分級が生じ,内岸側に細流土砂が堆積することでテラス状の地形ができることを確認した. 2.1999年8月に発生した阿武隈川洪水の後,福島盆地下流端の梁川橋付近の河川敷において現地観測を実施し,洪水による高水敷上への細粒土砂分の堆積量を調べた.それによると堆積している土砂は0.1mm程度の通常はウォッシュロードと呼ばれるような非常に細かい砂であり,低水路側から堤防側に行くにつれて粒径が小さくなっていることがわかった.また堆積のピークは低水路から10m程度離れたところに流れと平行方向に帯状に分布していることが明らかとなった.これによって洪水時に輸送される浮遊砂あるいはウォッシュロードの堆積が洪水敷の発達及び川幅維持に大きな影響を与えていることが示唆された. 3.混合粒径河道で、緩やかに蛇行している実河川(一級河川鵡川、穂別橋地点)において、融雪期と夏期の洪水観測を行い、掃流砂および浮遊砂の移動実態を観測した。流速についても、ADCPを用いた洪水中の観測に初めて成功し、蛇行による二次流の発生を3次元的にとらえることができた。 4.河床と河岸の両方の変化を同時に扱うことが可能な数値計算モデルの開発の第一歩として,河床および河岸が砂質土の場合のモデル構築を行った.計算モデルの検証は,自由蛇行の模型実験を用いて行った.この結果,計算モデルは実験結果における,河岸侵食を伴った自由蛇行の時間経過を精度良く再現可能であることが示され,砂質河道の自由蛇行を定量的に解析可能なモデルであることが確かめられた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 泉 典洋: "平成10年8月阿武隈川洪水時に見られた高水敷上への土砂堆積現象" 東北地域災害科学研究. 35. 183-188 (1999)
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[Publications] 馬場仁志: "鵡川における洪水時の河岸堆積に関する調査" 土木学会北海道支部論文報告集. 55(B). 100-106 (1999)
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[Publications] 清水康行: "Numerical Model of Riverbank Erosion and Free Meandering" Proc., 3rd Korea-Japan Symposium on Water Resources. 3. 26-33 (1998)