1999 Fiscal Year Annual Research Report
気候特性を活かした省エネルギー都市空間構造に関する研究
Project/Area Number |
10650538
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
北田 敏廣 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40093231)
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Keywords | ヒートアイランド / 都市熱環境 / 都市気象モデル / 都市植生 / 人工排熱 / 都市構造 / 大気汚染 / 持続可能都市 |
Research Abstract |
"持続可能"な都市・地域形成の要件として、二酸化炭素排出の抑制が求められている。このために都市規模での省エネルギー・未利用エネルギーの有効利用が必要であるが、重要な方策の一つとして土地利用の制御・計画と植栽等地表面の制御に基づく熱環境の緩和が考えられる。本研究は、都市大気の交換特性(風の道)を良くし、超熱帯夜・超真夏日を緩和するために、どのように都市の空間構造を設計すれば良いかを明らかにすることを目的としている。昨年の成果を踏まえて、名古屋市を対象に、都市空間を500mx500mのセルに分割し、セル内の熱環境に関わる空間構造を次のパラメーターで表しGISの下でデータベースを完成した:(1)都市建造物群のセル内面積比と高度分布(建物を中・高層、低層に二分し、それぞれの建物表面積をLAI,Leaf Area Indexで表現)、(2)道路面積比、(3)裸地面積比、(4)植生群の面積比と高度分布(植物を高木、低木に二分し、それぞれの葉面積指数LAIで表現)、(5)開水面の面積比、(6)人工排熱強度。さらに、これらのデータを入力にして名古屋市内の観測点11点に対して熱帯夜や極度の日中高温と空間構造パラメーターの関係を一次元キャノピーモデルによって予備的に検討した(典型的夏型気圧配置であった1995年7月24日-31日を対象)。夜間の高温度(熱帯夜)については局所空間構造パラメーターと観測気温との相関が日最高気温の場合にくらべて相対的に高く一次元モデルによる再現も比較的良好であった。一方、日最高気温については一次元モデルによる再現に限界があり水平方向の熱輸送の重要性を示唆している。最終年度は、空間三次元の解析により最終目標を達成する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitada,T.Okamura,K.Nakanishi,H.,and Mori,H.: "Production and transport of ozone in local flows over central Japan-Comparison of numerical calculation with airborne observation"Air Pollution Modelling and Its Application ZIII. 205-215 (2000)
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[Publications] 岡村聖、北田敏廣: "複合的な都市キャノピーを考慮した熱、水蒸気フラックスの予測モデル"平成11年度土木学会中部支部発表会講演概要集. 641-642 (2000)
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[Publications] 森博明、北田敏廣: "濃尾平野における高濃度日の出現状と気象条件との関係"大気環境学会誌. Vol.34. 352-375 (1999)
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[Publications] 北田敏廣、杉山誠、岡村聖: "葉面によるNO2吸収速度のモデル化に関する研究"土木学会第54回年次学術講演会概要集(第VII部門). 234-235 (1999)
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[Publications] Kurata,G.,Oketani,K.,Kitada,T.,andHara,Y.: "Estimation of soil erosion and sediment transport in the Mekong River Basin using global mappong data"Journal of Global Environment Engineering. Vol.5. 111-125 (1999)
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[Publications] 北田敏廣、岡村聖、三溝啓: "夏季の中部山岳のオゾン生成に及ぼす植物起源炭化水素の寄与推定"第7回地球環境シンポジウム講演論文集. 195-200 (1999)