2000 Fiscal Year Annual Research Report
多層地盤中に設置された杭支持建築物の地震時応答簡易予測システムの構築
Project/Area Number |
10650580
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
野添 久視 広島工業大学, 環境学部, 教授 (00135815)
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Keywords | 杭支持構造物 / 地震時応答予測 / 多層地盤 / 群杭基礎 / 動的インピーダンス / 有効入力動 / 簡易評価法 |
Research Abstract |
1.群杭-地盤系の動的解析と動特性の簡易評価 一昨年は杭基礎の鉛直・水平インピーダンスおよび回転・連成インピーダンスの簡易評価を行った。このモデル化に基づき、昨年度は群杭-地盤系の地動入力に対する群杭基礎の有効入力動としての鉛直・水平および回転の伝達関数の簡易評価を行ってきた。 本年度は、本簡易評価法の有効性について検証するために、理論的な構築と解析を進めた。 2.数値解析結果と考察 群杭基礎と2層地盤との系に対して数値解析を実行し、群杭基礎のインピーダンス特性と伝達関数特性について考察を進めた。地盤観測された杭支持建築物の観測結果と、本簡易評価法の結果とを比較検討した。その結果、群杭基礎のインピーダンスおよび有効入力動を本簡易評価法で短時間で計算できること,杭支持建築物の地震時応答を簡易に予測できることが分かり、本簡易評価法の有効性を明らかにした。 3.既往文献資料の調査およびシンポジウムからの知見 多層地盤中の群杭基礎に関する既往の研究および簡易評価法の文献を調査し、比較検討資料を収集した。 また、日本建築学会の構造物と地盤の動的相互作用シンポジウムに出席し、相互作用の過去・現在・未来について研究動向を確認すると共に、相互作用を性能設計に取り込んでいくための問題点について研究交流を図った。本シンポジウムで本研究の簡易評価法が紹介され、社会的貢献に寄与していることが分かった。 4.研究成果の公表と今後の課題 昨年度、研究発表した日本建築学会構造系論文集掲載に引き続き、今年度に行った研究成果も日本建築学会への投稿を予定している。また、これまで3年間の研究成果は、研究成果報告書として取りまとめ、広く社会に公表していく。 今後の課題として、性能設計に向けたシステムの構築が残されている。
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