Research Abstract |
3,35,53,104,171,185,491,1300および6300ppm硫黄含有Fe-20Cr-4Al合金の酸素中,1273,1373,1473,1573および1673Kにおける18.0ks間の高温酸化挙動を質量変化量の測定,X線回折,走査型電子顕微鏡観察およびEPMA観察により明らかにした。35,53およびl04ppm硫黄含有合金の質量変化量は1573K酸化で負の値を示した。35および53ppm硫黄含有合金の質量変化量もまた1473K酸化で負の値を示した一方,他の合金の質量変化量は証の値を示したこれらの結果は35,53およびl04ppm硫黄含有合金上の酸化皮膜が冷却過程で著しく剥離すること示唆した。1473K酸化における171,185,491,1300および6300ppm硫黄含有合金上の酸化皮膜の剥離は認められなかった1573K酸化における171,185,491,l300および6300ppm硫黄含有合金の酸化皮膜の剥離は合金上の一部で認められた。1673K酸化では35,53,104,171および185ppm硫黄含有合金上の酸化皮膜の剥離は硫黄含有量の増加とともに低減した。一方,491,1300および6300ppm硫黄含有合金では酸化皮膜の剥離が硫黄含有量の増加とともに著しくなった。3ppm硫黄含有合金ではいずれの酸化温度においても酸化皮膜の剥離は認められなかった。酸化皮膜形態は硫黄含有量および酸化温度により異なった。例えば1473K酸化の3ppm硫黄含有合金では酸化皮膜表面は平滑であり,7,35および53ppm硫黄含有合金では凹凸が激しいことがわかった。さらに硫黄添加量が増加すると酸化皮膜表面は平滑化への傾向を示した。1673K酸化における6300ppm硫黄含有合金の酸化皮膜の著しい剥離について酸化皮膜/合金界面EPMA観察により調べた酸化皮膜/合金界面におけるCr硫化物層の生成およびCr硫化物粒子の著しい増大が酸化皮膜を剥離へと至らしめているものと思われる。酸化皮膜の剥離は酸化皮膜形態,酸化皮膜/合金界面形態,酸化皮膜/合金界面におけるCr硫化物粒子の大きさ,分布状態および酸化温度に関係するものと考えられる。
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