1998 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸ガス型とロウ型を併用した彫刻作品の鋳造技法の開発
Project/Area Number |
10650732
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
長岡 強 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (50189106)
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Keywords | レリーフ / ブロンズ / 鋳造 / ロウ型 / 炭酸ガス型 / 低融点合金 / シリコーン / 脱ロウ |
Research Abstract |
本研究は,経験豊かな職人でなければ手が出せないものだと考えられがちな鋳造技法を美術教育の教材として位置づけることを目的としている。 3年計画の研究の1年次にあたる本年度は,専門家である経験豊かな職人の技法を参考にしながら,美術教育の視点に立ち,種々の実験的な鋳造技法の研究に力を注いだ。 レリーフ作品を炭酸ガス型技法・ロウ型技法によって鋳造し,その鋳造工程と完成作品からそれぞれの鋳造技法の長所・短所を明らかにした。 (1) ロウ型による鋳造 【長所】 ・ロウによる再彫刻によって,粘土では出せない細かな美しさが表現できる。 ・ロウに肌がけ用石膏を振りかけて鋳造づくりをするため,他の手法より刻印性が格段に優れている。 【短所】 ・脱ロウするためけに焼成窯の設備が必要で,さらに脱ロウには長時間要する。 (2) 炭酸ガス型による鋳造 【長所】 ・鋳造を乾燥させる必要がない。したがって焼成窯も不要なため設備費が安くてすむ。 ・鋳造づくりが簡単で,乾燥を要しないために,ブロンズの鋳込みまでの時間を大幅に短縮できる。 【短所】 ・鋳型を珪酸ソーダ添加砂で作るため,刻印性の面ではかなり劣る。 ・原型の制作にあたって抜け勾配になるように作るか,又は鋳型を寄せ型にして作らなくてはならない。 ・注湯後の型ばらしにおいて,崩壊性があまり良くない。 鋳型づくりが鋳造工程の重要なプロセスのようなので,次年度は,再検討する方向で研究を推進していきたい。
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Research Products
(1 results)