1999 Fiscal Year Annual Research Report
廃水中の有機系有害物質の分離を目的とした無限希釈活量係数の測定と推算
Project/Area Number |
10650763
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
日秋 俊彦 日本大学, 生産工学部, 助教授 (70181055)
|
Keywords | 無限希釈活量係数 / ガスストリッピング法 / 測定装置 / グループ寄与法 / 推算法 |
Research Abstract |
ガスストリッピング法に基づく無限希釈活量係数の測定装置を作製した。装置全体はヘリウムボンベ、平衡温度を決定する精密恒温水槽、内容積約25mlのパイレックスガラス製平衡セル、および組成分析のためのガスクロマトグラフィーからなる。ヘリウムはセル内の気相成分を押し出すスウィープ・ガスとして使用すると同時に、ガスクロマトグラフィーのキャリアガスとしても使用している。試料を充填するガラスセル内には、溶液の濃度分布を防ぐためのマグネテックスターラーを備えており、ヘリウムの導入にはG2ガラスフィルターを通しておこなっている。セルの形状は迅速に溶質を溶媒中に分散させると同時に、飛沫同伴を防ぐよう配慮を施した。 本研究で作製した装置による水溶媒中の有機系有害物質の無限希釈活量係数測定に先立ち、ヘキサデカン溶媒におけるヘキサンの無限希釈活量係数測定をおこなった。本系を選択した理由は、作製した装置の健全性試験をおこなうと同時に、運転の最適条件を決定するためである。スウィープ・ガスの流量、溶質濃度による影響について詳細に検討した結果、ヘキサン+ヘキサデカン(溶媒)系の303.15Kにおける無限希釈活量係数は0.831であり、実測値の再現性および、文献値との一致は良好であった。 無限希釈活量係数の推算は、グループ寄与法に基づくUNIFAC法が提案されている。特に水を溶媒または溶質とする場合、水素結合の影響により正確な推算が難しいとされている。本研究は、水を溶媒とする無限希釈活量係数の推算をグループ寄与法ASOGによっておこない、さらにmixture-typeグループを導入した改良ASOG法を提案した。推算はデータの豊富なアルコール、アルカンを溶質とする系について行い、既往の推算法との比較もおこなった。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] S.Zhang, T.Hiaki, K.Kojima: "Prediction of Infinite Dilution Activity Coefficents for systems including Watre by Group Contribution Method with Mixture-Type Groups"Fluid Phase Equilibria. 149. 27-40 (1998)