1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規高活性α-ホスホノシクロブタノン及びα-ホスホノアゼチジノンの開発と利用
Project/Area Number |
10650856
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡田 芳治 近畿大学, 工学部, 講師 (30253553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 文夫 近畿大学, 工学部, 教授 (90028150)
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Keywords | α-ホスホノシクロブタノン / 分子内C-H挿入反応 / 酢酸ロジウム / アントラセン / α-ジアゾ-β-ケトホスホナート / Diels-Alder反応 |
Research Abstract |
本研究では、高活性、高機能4員環環状カルボニル化合物の開発を目的として、二価ロジウム触媒存在下、ジアゾカルボニル化合物のカルベノイド[4+0]反応を経由する新規α-ホスホノシクロブタノンの一段階構築について行なった。最初にアントラセンとアクリル酸メチルのDiels-Alder反応により9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン-11-カルボン酸メチル1を合成した。1にTHF溶媒中HMPA存在下、LDAを作用させた後、臭化エチル、臭化プロピルを反応させ、対応する11-エチル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン-11-カルボン酸メチル2a、11-プロピル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン-11-カルボン酸メチル2bをそれぞれ97%、89%の収率で得た。続いてTHE溶媒中、メチルジメチルホスホナートカルバニオンを反応させ、11-エチル-11-ジメチルホスホノアセチル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン3a、11-プロピル-11-ジメチルホスホノアセチル-910-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン3bをそれぞれ98%、85%の収率で得た。さらにTHF溶媒中NaH存在下、トシルアジドとのジアゾ交換反応により、11-ジアゾジメチルホスホノアセチル-11-エチル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン4a、11-ジアゾジメチルホスホノアセチル-11-プロピル-9,10-ジヒドロ-9,10-エタノアントラセン4bをそれぞれ94%、91%の収率で得た。得られたα-ジアゾ-β-ケトホスホナート4a,bに1,2-ジクロロエタン溶媒中酢酸ロジウムを作用させ、80℃で加熱したところ、期待した分子内C-H挿入反応が進行し、混合物としてシクロブタノン5a,b及びシクロペンタノン6a,bを得た。
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