1999 Fiscal Year Annual Research Report
セレン化合物をイニファタとするリビングラジカル重合
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10650865
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
結城 康夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (20024292)
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Keywords | リビングラジカル重合 / ジフェニルジセレニド / p-(フェニルセレノメチル)スチレン / ベンジルフェニルセレニド / 片末端官能性高分子 / ブロック共重合体 / クラフト共重合体 / ジフェニルジテルリド |
Research Abstract |
1.ジフェニルジセレニドの連鎖移動定数が大きいことを利用して、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とし、ジフェニルジセレニドを連鎖移動剤に用いてスチレンの重合を行った。開始ラジカルからの末端をもち、フェニルセレノ基末端で停止したポリスチレンが得られた。フェニルセレノ基の末端の酸化的脱離により二重結合とし、さらにエポキシ基に変換して、末端官能性ポリスチレンを合成した(論文1)。 2.ジフェニルジセレニドは光イニファタとして機能し、高子の両末端にフェネチル型とベンジル型のフェニルセレノ基が導入されることが分かっている。生長末端モデルとしてベンジルフェニルセレニドを用いて、p-(ブロム、クロロメチル、メチル、およびアセトキシメチル)スチレンについても光イニファタとして機能することが分かった。その結果をもとに、ジブロックおよびトリブロック共重合体の合成に成功した(論文2)。 3.セレンを含む新規モノマーとしてp-(フェニルセレノメチル)スチレンを合成し、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とし重合させた。また、スチレンとの共重合体を高分子開始剤として用い、メタクリル酸メチルを重合させ、スチレンを幹に、メタクリル酸メチルを枝とするグラフト共重合体を得た(論文3)。 4.セレンの同族体であるテルルについても検討した。ジフェニルジテルリドはジフェニルジセレニドよりも連鎖移動定数が大きく、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とし、ジフェニルジテルリドを連鎖移動剤に用いてスチレンの重合を行った。重合はリビング的に進行し、分子量分布の狭いポリスチレンが得られることが分かった(論文4)。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.S.Kwon,S.Kondo,H.Kunisada,Y.Yuki: "Synthesis of Ploystyrenes with Arylseleno Groups at the Terminal Bond,by the Free Radical Polymerization of Styrene in the Presence of Diaryl Diselenides,and Their Conversion to End Functional Polymers"European Polymer Journal. 35巻4号. 727-737 (1999)
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[Publications] T.S.Kwon,H.Ochiai,S.Kondo,K.Takagi,H.Kunisada,Y.Yuki: "Radical Polymerization of p-Substituted Styrenes with Benzyl Phenyl Selnide as a Photoiniferter"Polymer Journal. 31巻5号. 411-417 (1999)
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[Publications] T.S.Kwon,S.Kondo,K.Takagi,H.Kunisada,Y.Yuki: "Synthesis and Radical Polymerization of p-Phenylselenosyurene and Application to Graft Copolymer"Polymer Journal. 31巻6号. 483-487 (1999)
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[Publications] K.Takagi,A.Soyano,T.S.Kwon,H.Kunisada,Y.Yuki: "Controlled Radical Polymerization of Styrene Utilizing Exellent Radical Capturing Ability of Diphenyl Ditelluride"Polymer Bulletin. 43巻. 143-150 (1999)