1998 Fiscal Year Annual Research Report
対称性芳香族ジイミドから成る半剛直主鎖型液晶ポリマーに関する研究
Project/Area Number |
10650868
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐藤 守之 島根大学, 総合理工学部, 教授 (10100306)
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Keywords | 対称性芳香族ジイミド / 主鎖型液晶ポリマー / 液晶性 / サーモトロピック中間相 |
Research Abstract |
[目的] 既に我々は非対称なジイミド単位からなるポリマーでは液晶相が発現しやすいが、対称性ジイミド単位からなるポリマーでは液晶相が発現しにくい場合が多いことを明らかにした。本研究では、ビフェニルジカルボキシイミド、ベンゾフェノンジカルボキシイミド、タ-フェニルジカルボキシイミドなどの対称性芳香族ジイミドに、比較的短い脂肪族鎖を結合したジオール誘導体から新しい半剛直型のポリカーボネートを合成し、その液晶性の有無について検討した。 [実験] 以下にモノマーとホモボリマーの合成例を示す。 モノマー:ビフタル酸無水物と各種アミノアルコールからジアセチル化物を得た後、p-トルエンスルホン酸により脱アセチルを行い、ビフェニルジカルボキシイミドのジオール誘導体を得た。 ポリマー:上記ジオール誘導体と炭酸ジフェニルを酢酸亜鉛の存在下、溶融重縮合してポリマーを得た。重合の確認、相転移温度と液晶相の確認は、FT-IR、NMRスペクトル、DSC測定、偏光顕微鏡観察及びX線回折によって行った。 [結果・考察] 溶融重縮合により得られたポリマーのFT-IRスペクトルには、1750cm^<-1>付近にカーボネート、また1710及び1770cm^<-1>付近にはイミドの特性吸収がそれぞれみられた。また、得られたポリマーはいずれもクロロホルムに可溶で、フィルム形成が可能であった。DSC測定と偏光顕微鏡観察及びX線回折により、ポリマーの液晶性を調べた結果、一部のポリマーでサーモトロビック中間相が観察された。
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