1998 Fiscal Year Annual Research Report
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10650880
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
佐々木 伸太郎 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (10092553)
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Keywords | X線回折 / 構造解析 / くし形高分子 / イメージングプレート / 画像処理 |
Research Abstract |
高分子材料の結晶構造・高次構造制御の原理を明らかにするための基礎として、太い部分と細い部分が存在する異径(変径)ポリマーを設計・合成し、X線解析法により、その構造および秩序形成の過程を明らかにする。本研究では、くし形を基本とする異径ポリマーとして、ポリアクリレートおよびポリ酢酸ビニルの柔軟な主鎖に長鎖アルキル基を側鎖として適当数付加したもの、および、π共役系の剛直な主鎖骨格にアルキル基を側鎖として付加したポリチアゾールについて、構造解析を行なった。 この結果、局所的に密な部分と疎な部分があるような密度異常を解消するように、性質の異なるそれぞれの部分が他とうまく折り合いをつけながら構造を形成することが分かった。すなわち、側鎖の太さ・数密度と主鎖の屈曲性などの性質のバランスが構造を左右する。 長鎖アルキル基を有するくし形コポリアクリレート系では、側鎖どうしの入り込みが幾何学的な比容の考察どおりであること、入り込みは主鎖を広げようとするが、主鎖の縮もうとする力とのバランスから、組成に敏感な構造転移が見い出された。 導電性高分子系においては、π共役系グループ間の相互の位置関係ひいては相互作用を制御できる可能性が見い出された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐々木伸太郎: "X-ray Analysis of Main-chain Type Poly(anthraquinone)s" Repts.Prog.Polym.Phys.Jpn.41. 341-344 (1998)
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[Publications] 佐々木伸太郎: "X-ray Analysis of Regiorogular and Regiorandom Poly(methylthiophene)s" Repts.Prog.Polym.Phys.Jpn.41. 345-348 (1998)
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[Publications] 佐々木伸太郎: "Layered Structure in Comblike Copolyacrylates" Repts.Prog.Polym.Phys.Jpn.41. 349-356 (1998)
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[Publications] 山本隆一: "Extensive Studies of Poly(alkylthiophene)s and Poly(alkylthiazole)s" J.Amer.Chem.Soc.120・9. 2047-2058 (1998)
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[Publications] 野島修一: "Crystallization and Morphology of Polycaprolacton-b-Polystyrene" Polymer J.30・12. 968-975 (1998)
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[Publications] 佐々木伸太郎: "X線回折によるあいまいな高分子構造の解析" 理学電機ジャーナル. 29・2. 22-29 (1998)