1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10650921
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
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Keywords | 微粒子懸濁液 / 流動特性 / レオロジー / 粘度 / 落針式粘度計 |
Research Abstract |
微粒子懸濁液を含むニュートン流体および非ニュートン流体について、その粘度および流動特性を解析するための新しい理論と測定装置の開発を目的として研究を行ってきた。前年度までに、測定理論を確立するとともにいくつかの非ニュートン流体の流動特性の測定を行い、正確な測定が可能であることを示した。今年度は、測定を自動化するための原理と方法の検討および自動計測できる小型レオメータの設計・製作を主なる研究目的とした。前年度までに作成したレオメータの大きさと比べて、試料容積で1/8となるカラム直径10mm、カラム高さ20cmの大きさの小型レオメータを設計・製作した。カラムの2ヵ所に取り付けたニードルの位置を計測する磁気センサーから得られるニードルの終端速度の情報をコンピュータに取り込み、自動的にせん断速度とせん断応力の関係を図式化する自動解析システムを開発した。さらに、異なる流動特性、すなわちニュートン流体、擬塑性流体、ダイラタント流体、ビンガム流体および非ビンガム流体を判別して、自動的に流体の種類を決定するとともにその流動特性を図式化することを可能にした。作成した小型落針式レオメータを用いて、工業的によく見られるCWS(Coal and Water Slurry,石炭ー水スラリー)の粘度および流動特性を測定および解析した。CWSは非ビンガム流体の挙動をすることがわかり、このレオメータを用いるとCWSの安定性を保持するための撹拌時期や撹拌の頻度を明確にすることが可能であること、言い換えるとCWSの品質管理に応用できることを明らかにした。このような落針式レオメータの特性は、化学プラントの品質管理や品質の制御に適用できると思われる。さらに、化学製品の製造装置パイプラインに組み込んで連続的に粘度管理するインライン型粘度計に発展できることを明らかにした。
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