1999 Fiscal Year Annual Research Report
RMu トランスポゾンによるイネ遺伝子改変システムの構築
Project/Area Number |
10660003
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
石川 隆二 弘前大学, 農学生命科学部, 助教授 (90202978)
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Keywords | トランスポゾン / 非相同組換え / イネ / RMu |
Research Abstract |
RMuファミリーのうち自律因子はRMu1クラスの因子である.これまでに5genomicクローンの特徴付けを行った.一方,RMu2クラスのトランスポゾンはRMu1クラスの因子の内部欠失で生じたもの,ならびに異なる塩基配列を内部に有するものが検出された.RMu2-IR36は欠失型であるが,縦列の反復配列がなんらかの機構によって再編成を引き起こした結果生じたものと考えられた.この機構としてはDNA複製時に生じる鋳型鎖が反復配列を複製中にその先の配列にSlippingすることによる欠失や,他のDNA鎖に存在する相同な反復配列を認識してその鋳型鎖を利用する際に挿入や欠失を得たものと推定される.内部に異なる配列を有するトランスポゾンは現在,RMu2A1a,b,ならびにcの3因子が得られている.RMu2-A1aはTIRでは相同性を有しているものの,異なる内部配列を持つ因子である。この領域の由来は明らかになっていない.一方,RMu2-A1bは,RMu2-IR36と高い相同性を示すが,817-1060ntまでに143bpの挿入配列がみられる.BLASTNで挿入配列の相同性検索をおこなったところ,全長995bpの10bpのTIRを有するトランスポゾン,wandererの内部と相同性が高かった.その挿入近傍を比較することから,AGGの配列を認識して異所的な相同組換えを生じたものと考えられた.イネゲノム内のwanderer様配列のコピー数を調査したところ,かなり高いコピー数を示すことより,それらの配列を機会的に鋳型として利用したのであろう.RMu2-A1cは塩基配列の決定中である.
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