1998 Fiscal Year Annual Research Report
謹耕の選択透過性を利用した殺菌剤の除去による有菌下での器内培養液の自動補充と更新
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10660024
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
水田 洋一 京都大学, 農学研究科, 助手 (90239236)
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Keywords | in vitro / ショ糖 / 培養 / 逆漫透謹 / アルミニウム / リン酸 |
Research Abstract |
組織培養では、無菌状態で、培養液の更新や植え替をしなければならない。その結果,人件費の増大する。もし、培養液の更新だけでも有菌下で行うことができれば、人件費が下がり、実用化する部分が大きいであろう。そこで、膜の分離機能を利用することにより、静菌剤と微生物を除去し、有菌下で,無菌の培養器内に培養液を補給、更新する方法を開発し、無菌の培養器内に砂糖を含む培養液を有菌下で供給し.植物を正常に育成することに成功した。この補給する培養液を以後、外液と呼ぶ。 この時、リン酸と超難溶性の塩を作り、微生物を繁殖を押さえる毒性の少ない難溶性金属水酸化物(水酸化アルミニウムと水酸化鉄)を静菌剤として使用した。水酸化鉄を使用すると膜の「目」を詰めてしまい通過抵抗を増大させ、容器内に充分に養水分を供給できなかった。水酸化アルミニウムでは容器内に充分養水分を供給でき植物が育った。また、硫酸アルミニウムの添加により、外液のpHを低くすると、漏出リン酸の吸着が早く害液の腐敗が遅らせることができた。容器の外側の液が腐敗してから約1週間後に、膜と容器継ぎ目から菌が進入し始めた。また、膜の外側に水酸化アルミニウムを封入した無菌部分を作ると、2か月程度以上、外液を腐敗させないことができることが確認された。この無菌水酸化アルミニウム封入層を厚くして、どの程度腐敗を遅らせるか実験中である。 また、外の培養液が腐ったときのために、容器と膜の接着面から菌が侵入する傾向が認められたため、接着面の改良の必要が強く示唆された。
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[Publications] MIZUTA,Y.,and S.YAZAWA: "CONTINOUS CHANGE OF CULTURE MEDIUM IN A VESSEL UNDER UNSTERILIZED CONDITION USING REVERSE OSMOSIS MEMBRANE" Journal of Japanese Society for Horticultural Science(supphment). 67. 137 (1998)