1999 Fiscal Year Annual Research Report
世界遺産条約「文化的景観」とその導入による我が国の歴史的庭園の保護施策研究
Project/Area Number |
10660035
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
進士 五十八 東京農業大学, 地域環境科学部・造園科学科, 教授 (40078209)
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Keywords | 世界遺産条約 / 文化的景観 / 歴史的庭園 / フィレンツェ憲章 / イタリア / 修復 / Carta di Firenze / Historic Gardens |
Research Abstract |
「文化的景観」概念の導入は、宗教・慣習等の無形な文化に対する評価の必要性が増加したことを主たる要因とし、それら無形な文化を育む風土全体を「文化的景観」と位置づけて保護対象としていこうとしている、と整理できた。諸文献のレビューから、「文化的景観」という概念を考慮した結果をふまえたうえで本研究では、既に世界遺産条約の対象となっている庭園に関して、そのカテゴリー分類の見直し等、「文化的景観」として再評価すべきであるとの論考の展開を試みた。 イタリアを事例とした研究においては、イタリアの歴史的庭園の保護動向を、世界遺産条約との相関で捉えるために、フィレンツェ憲章の草案である(1)IFLA会長案、(2)イタリア・ノストラ案、さらに同憲章の制定以前に急拠制定されたイタリア独自の憲章の3本を比較分析した。その結果、イタリアにおいては、歴史的庭園をより明確に自然環境や国土計画と関連させて保護することの重要性が打ち出されており、また、フィレンツェ憲章において、修復に関する厳格な定義づけが実現したことは、イタリア・ノストラをはじめとするイタリアの研究者たちの保護思潮に負うところが大であると判断された。
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Research Products
(2 results)