1998 Fiscal Year Annual Research Report
α-ガラクトフラノース構造をもつ新規N-型糖鎖の分子機構
Project/Area Number |
10660068
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 淳夫 北海道大学, 農学部, 助教授 (90186312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 春英 北海道大学, 農学部, 助手 (80241363)
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Keywords | N-グリコシド型糖鎖 / O-グリコシド型糖鎖 |
Research Abstract |
微生物には、哺乳動物や植物に見られないN-あるいはO一型糖鎖が存在する。が、その生物機能や生合成機構については解明されていない。本研究は、その新規なO一型糖鎖ならびに5員環ガラクトース(以下、Galfと略す)がα型で結合する新規なN-型糖鎖の生合成に関与する酵素(UDP-Galf合成酵素とGalf転移酵素)の解析を目的として行われ、本年度は以下に示す成果が得られた。 1)Aspergillus nigerのα-グルコシダーゼに存在するO-型糖鎖の精製を行った。本酵素を大量に調製後、還元条件下でβ-エリミネーション反応によりO-型糖鎖を化学的に切り出し、ゲル濾過法と逆相HPLCで単離した。5種類の糖鎖が得られ、質量分析の結果から中性糖からなる単糖類と二糖類が1種ずつ、三糖類が3種存在することが認められた。^1H-NMR分析を行い、単糖はマンノース、二糖類は2残基のマンノースがα-1,2-結合した構造であることが認められた。3種存在する三糖類のうち、1つに関して構造決定がなされ、二糖類の構造にグルコース残基が分岐型で結合する新規な0-型糖鎖であった。 2)Aspergillus nigarのα-グルコシダーゼから、プロテアーゼとN-グリカナーゼ処理、ゲル濾過、イオン交換HPLCの諸操作により、Galf転移酵素の基質ならび生成物となる糖鎖を調製した。Aspergillus niger抽出液のUDP-Galf合成酵素の活性は微弱であり、菌体抽出後の失活が大きいことが認められた。菌体破砕条件や酵素の安定化因子について検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Mori: "Molecular Cloning of an α-Amylase cDNA from Germinating Cotyledons of Kidney Bean (Phaseolus vulgaris L.cv Toramame)" Oyo Toshitsu Kagaku (J.Appl.Glycosci.). 45・3. 261-267 (1998)
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[Publications] S.Igaki: "Catalytic Reaction Mechanism on α-Secondary Kinetic Isotope Effects in Hydrolytic Cleavage of α-Glucosidic Linkage by α-Glycosidases" Oyo Toshitsu Kagaku (J.Appl.Glycosci.). 45・3. 269-274 (1998)
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[Publications] T.Saeki: "Localization of α-Glucosidase in Yeast Cells" Oyo Toshitsu Kagaku (J.Appl.Glycosci.). 45・3. 281-283 (1998)
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[Publications] A.Kimura: "Immobilization of Product When Digesting Soluble Starch with Enzyme" Brain Techno News. 68(in press). (1999)