1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660103
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
野本 信也 筑波大学, 化学系, 講師 (30133028)
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Keywords | 酸水素炎 / ラジカル反応 / 水酸ラジカル / 水素ラジカル / 還元反応 / アミノ酸 |
Research Abstract |
申請者の考案した炎水界面反応を利用して、本年度は酸水素炎による次の2種の還元反応の開発研究を行った。 1 炭素・炭素二重結今の水素添加 本反応は水素拡散炎で最も効率よく進行することと、出発原料の濃度が0.1M程度の時に出発物質の二量化反応を伴わずよい収率を与えることが明らかになった。また溶媒に添加するラジカルスカベンジャーについてはギ酸を30%の濃度で用いたとき最も良い結果を与えた。アリルアミンや3-ブテノイックアシドなど約10種類の不飽和なアミンやカルボン酸に対して本反応を行い20-30%の収率で水素添加された生成物を得た。 2 スルフィドおよびスルホキシドの脱硫水素化 本反応は水酸ラジカルの寄与によりC-S結合の切断反応を行い、生じた炭素ラジカルと炎からの水素ラジカルがカップリングすることにより進行する。水素-酸素比4の酸水素炎が適当であり、また0.001Mの濃度で最も効率良く進行することが明らかになった。反応中に生じるラジカル同志の交叉カップリングを抑えるためにラジカルスカベンジャーとして40%ギ酸水を用いた。シスチン、S-メチルシステイン、メチオニンおよびそのスルホキシドを原料としてその脱硫水素化物が10-15%の収率で生成した。今後より効率のよい条件を見いだすための条件検討を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shinya Nomoto: "Flame-induced reactions of sulfur-containing amino acids in an aqueous solution" Tetrahedron Letters. 39. 1009-1012 (1998)
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[Publications] Shinya Nomoto: "Under-flame reactions of sulfur-containing amino acids by a hydrogen-oxygen flame" Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry. 62・4. 643-649 (1998)