2000 Fiscal Year Annual Research Report
中間赤外波長域のスペクトルによる植物活力度の評価と予測に関する基礎研究
Project/Area Number |
10660137
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
稲村 實 群馬大学, 工学部, 教授 (10011206)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖 一雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50292628)
伊藤 直史 群馬大学, 工学部, 講師 (20223159)
吉田 正夫 茨城大学, 農学部, 助教授 (90291286)
|
Keywords | リモートセンシング / 植生評価指数(NDVI) / 水分指数(WI) / 植生活力度 / 分光反射率 / 分光偏光度 / 緑葉・黄葉・枯葉 / 森林環境 |
Research Abstract |
(1)従来の植生評価指数(NDVI)の意味を検討した。「つばき」や「銀杏」、観葉植物「ポトス」の葉等の分光測定では、NDVIはクロロフィル量の評価には利用出来るが、植生の活力度を評価しているものではないとの結果を得た。具体的には、 (1.1)ポトスに水分ストレスを与えるとNDVI値は減少するが、この変化は各測定対象の水分ストレス前の葉ごとの差異と同程度であり、これと区別がつかない。一方、WI(Water Index)は水分ストレスで増加するが、ストレスを与える前のWIは葉ごとの差異が小さく、差異が生じれば水分ストレスである事がわかる。これより、NDVIでは水分ストレスの有無は評価出来ないが、WIでは評価が可能である事がわかった。 (1.2)銀杏葉の緑葉から黄葉、さらには枯葉までの自然の変化と、それらへの水分ストレスによるNDVI,WIの変化を比較した。銀杏の緑葉から黄葉への自然変化ではWIはほぼ一定で、0.98-0.995程度で1を越えない。一方、NDVIは0.8から0.25程度へと大きく減少する。さらに水分ストレスを与えるとNDVIの変化は(2.1)に述べた様にストレス前の各葉の変化に混合して区別がつかないが、ストレスによるWIの変化は安定して1.025前後となり、どの黄葉段階においてもWIでは水分ストレスの有無が判別出来る事が分かった。 (2)植物葉からの反射光には葉表面からの反射光があり、これは葉内情報を取得するのには雑音と見られていた。葉面反射光の分光偏光度には葉表面の形状情報が含まれ、この計測とそのデータ解析の重要性が確認出来た。葉表面は植物の活力度と敏感に関連し、分光偏光度特性は葉表面を敏感に反映するので、分光偏光度からは植生活力度の情報が得られる可能性が大きい。
|
-
[Publications] Maria del Carmen Valdes,Minoru Inamura: "Improvement of remotely sensed low spatial resolution images by back-propagated neural networks using data fusion tech."International Journal of Remote Sensing. 22,4. 629-642 (2001)
-
[Publications] Maria del Carmen Valdes,Minoru Inamura: "Spatial Resolution Improvement of Remotely Sensed Images by a Fully Interconnected neural Network Approach"IEEE Trans.on Geoscience and Remote Sensing,. 38,5. 2426-2430 (2000)
-
[Publications] 沖一雄,上田哲也,稲村實: "リモートセンシングによる植生環境評価のための計測シミュレーション"日本リモートセンシング学会誌. 20,3. 94-102 (2000)
-
[Publications] 沖一雄,船越祐哉,稲村實: "ハイパースペクトルデータによる画素内特定被覆率推定に関する研究、-植生被覆率の推定-"日本リモートセンシング学会誌. 20,3. 17-33 (2000)
-
[Publications] 石田晴海,稲村實: "ニューラルネットワークを用いた空間情報の推定によるIKONOS画像の高解像度化"日本リモートセンシング学会学術講演会論文集. 第29回. 293-294 (2000)