1999 Fiscal Year Annual Research Report
土壌流亡抑止と土壌流亡に伴う濁水のフィルター材による処理とその効果
Project/Area Number |
10660226
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
田熊 勝利 鳥取大学, 農学部, 教授 (40032297)
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Keywords | 人工フィルター / 濁水処理 / 土壌流亡 / 降雨強度変化 |
Research Abstract |
土地の開発行為により発生する土砂濁水の改善に対し、人工(化学繊維)フィルター材と水質浄化材を用いることで物理的に、化学的に浄化し、また人工フィルターと水質浄化材(ゼオライト、活性炭等)のさまざまな組み合わせによる処理効果について検討を加えた。 人工フィルターを用いて濁水処理を行う場合、避けられない問題となるのが空隙の閉塞状態である。これはフィルターの透水性とフィルターの吸着性が背反的な事象であるためである。そこで、フィルターを用いて、濁水の浄化効果について透水性の面から考えた。 実験は、(1)フィルターの基礎的性質把握のためのパイプ実験、(2)より現場に即した形として開水路実験を行った。この結果、パイプ実験においては、浄化率に多少の変化はあるが透水係数もあまり変化がない。水路実験においては、浄化率に変化はあまりないが透水係数には大きな変化が見られた。これらの違いは、濁水の流れの方向が縦方向と横方向の違いだと推測する。このことを考慮して濁水処理法を工夫する必要がある。 次に、降雨パターンすなわち(1)降雨強度一定、(2)弱から強への降雨強度と(3)強から弱への降雨強度の違いによる土壌流亡の変化について水食実験を行った。土壌流亡量は、降雨強度が大きくなるに従い経過時間と共に土壌流亡量が増大し、そして強雨強度が小さくなるにつれ経過時間と共に土壌流亡量が減少することが分かった。このように降雨パターンの違いにより土壌流亡量が変化することが推測される。また、流出水量も降雨強度の影響を受けていた。しかし、降雨強度の変化による飛散量については粘土質系の土が影響を受けることが分かった。このことは粘土分や土固有の透水性などの要因が複雑に絡んでいると思われる。
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