1998 Fiscal Year Annual Research Report
挿し木・挿し芽苗の急速大量生産に関する環境調節工学的研究
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10660252
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 教授 (60092087)
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Keywords | 挿し木 / 苗 / バラ / 発根 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
本研究では、挿し木(挿し芽)苗生産における、根・シュートの分化および成長促進のための環境調節法について検討する。根・シュートの分化および成長には炭水化物を必要とし、そのため光合成速度を高めることが、挿し木(挿し芽)の成長促進をもたらすと予想される。本年度は、CO_2濃度の異なる条件下で挿し木(挿し芽)を生育させ、CO_2濃度が根の成長に及ぼす影響について主に検討した。試験には、通常、栄養繁殖されている植物としてバラ(品種:ティネケ)を供試した。試験概要は以下の通りである。 1. CO_2濃度と根部およびシュートの成長 CO_2濃度の異なる試験区(CO_2施用区:昼間1000ppm1無施用区)を設け、生育試験を行った。挿し木30日目の根部の重量は、CO_2施用区が無施用区の1.4〜1.6倍となり、CO_2施用により根の成長促進がみられた。また、CO_2施用は、シュートに対しても、根部ほどではないが成長促進効果があることが認められた。 2. 挿し穂葉面積の影響 挿し木では、蒸散過多による萎れや枯死を避けるために、通常、葉の一部を切除した挿し穂を用いている。しかし、1株当たりの光合成量は葉面積によって異なる。そこで、バラ挿し穂の小葉枚数が挿し木の生育に与える影響をみた。その結果、小葉枚数が増えると、根部の成長はわずかに促進されたが、シュート成長はむしろ抑制された。 3. 発根促進剤の効果 発根促進剤処理の有無とCO_2施用の有無を組み合わせた生育試験から、発根促進剤処理によって根部の成長は促進されたが、シュート分化はかなり抑制されることが示された。 以上の結果から、根およびシュート両方の分化および成長にとって、CO_2施用が効果的であると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 林 真紀夫・藤本正徳: "CO_2施用が挿し木バラ“ローテローゼ"の発根促進に及ぼす効果" 日本農業気象学会1998年度全国大会・日本生物環境調節学会1998年大会・1998年度農業施設学会要旨集. 344-345 (1998)
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[Publications] 藤本正徳・林 真紀夫・河野憲司: "CO_2施用が挿し木バラ“ティネケ"の発根促進に及ぼす効果" 日本植物工場学会平成10年度大会講演要旨. 88-89 (1998)