1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
10660310
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小澤 哲夫 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (00015653)
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Keywords | サゴ澱粉 / 澱粉抽出残渣 / サイレージ |
Research Abstract |
サゴ澱粉生産の展開に際し解決しておかなければならない重要課題の一つに澱粉抽出残渣の有効利用法の開発がある.本研究はサゴ澱粉抽出残渣の飼料化を目的としている.排出されるサゴ澱粉抽出残渣は,1)水分含量70%以上,2)残存澱粉量が多い(30〜50%),3)窒素含量が極めて少ない(<0,5%),4)腐敗しやすいという性質がある.これらの性質をふまえて保存性を向上させ,不足する窒素源を補強しかつ消化性の向上を計るために,本年度は残渣のアンモンニア処理をガラス瓶法で行った.また,対照としてサイレージ調製も行った. 水分70%,アンモンニア添加量3%,温度25℃および30℃で処理し,6週まで経時的に取りだし,pH,アンモンニア含量,総窒素量,澱粉含量,消化性,4-メチルイミダゾール(4-MI)量を定量した. 結果は25℃および30℃処理区で大差なく,以下のようであった.1)pHは0週で10以上であったが,その後徐々に低下し6週で約8となった.2)アンモンニア含量は0週2.7%からわずかに減少し6週で2.5%となった.3)乾燥物の総窒素量は0週で1%から6週まで増加し約3,2%となった.4)澱粉含量は6週で初期含量の85%になった.5)低消化性繊雑の残存量は0週で28.0%から徐々に減少し6週で約26.5%となった.6)4-MIの生成量は1.3ppm以下であった. 添加されたアンモンニアでpHが上がり,残渣の腐敗が防止された.アンモンニアと繊維素との反応によって残渣の消化性が向上した.また残渣に不足する窒素の補強ができた.アンモンニア添加により生じる毒性物質4-MIの生成量は1.3ppm以下で問題なかった.対照として行ったサイレージ調製でも良好な生成物が得られた.両方法は実用化実験へ展開可能であると考えている.
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